手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

Entries from 2022-01-01 to 1 year

循環する粒々

この世に存在する物は全て原子からできていると言うのだから、人も言ってみれば小っちゃな粒々の寄せ集まり。 粒々の繋がり方が多少緩かったりきつかったりという差はあっても、物質的には植物も動物も、岩も水も、構造的にはあまり違いは無いという事か。 …

冬の淋しさ

12月も半ばを過ぎて、フランスも街はどこもクリスマスを盛り上げようと色とりどりの電光飾と明るい音楽で溢れています。 ただ、先週はこの冬最初の寒波で気温は日中も零度前後の日が続き、つい1週間ほど前までは木々に残っていた色づいた葉も一気に落ちて冬…

全力で楽しむ

コロナ禍での学校生活。 色んな行事が中止になりましたよね。 娘の通う中学でも通常3年生と4年生が2泊3日の修学旅行があるんですが、昨年は行けませんでした。 それを取り戻すため、今年は12月に一回と4月に一回計画されているとのお知らせがあってから、娘…

西部戦線異状なし

今年の秋に中学校の最終学年に進級した娘。 宿題やテストの量が一気に増えました。 最近は日が短くなったので、朝は暗い内に家を出て、帰りは日が落ちた後。 帰ってから夕食までの1時間ほどでシャワーを済ませ少し休憩すると、夕食後は深夜まで勉強に追われ…

仏運転免許証

先週仏運転免許の技能試験を受け、めでたく合格。 これで免許不要の小型車卒業できます! とはいえ、主人が運転していた自家用車は1年以上運転せずに放置していたのでバッテリーが切れてエンジンがかかりませんでした。 しかし、これはご近所付き合いが濃~…

拭き掃除

ここ数カ月、見てみないふりをしてきたもの。 あちこちに溜まった薄い埃の膜。 本来の色が少し灰色がかり、過ぎた時間を思わせる。 寂しく愛おしい。 拭いてきれいにするのは心が引けた。 だから、毎日見過ごしていた。過去と繋がっていられる気がして。 慰…

叱られて

40代後半。 褒められる事はまだ時々あるにしても(おばちゃんによくある勘違いかもしれませんが)、叱られる事はほとんどなくなりました。 叱る事はと言えば…、まだまだ日常で、親の義務感や責任感というよりは、放っておく事が不安で、ついつい口を出してし…

ひとひごと

心に突如として現れた深い淵。 初めはあまりに暗く底知れず、覗いてみる事さえ怖く目をそらしていた。 主人が逝って早半年。 一つの命が途絶えても、生きている私たちの時は止まらない。 ひときざみずつ、ひとひずつ、時はゆっくりとでも着実に過ぎていく。 …

9月、気持ちを新たに

9月。フランスは、その他の欧米諸国と同じく、学校の年度は9月スタートです。 今年の4月に主人を亡くし、昨年度の学校が終わる間際に大変な思いをした子供たちも、2カ月の夏休みを経て、寂しく不安な思いは消えないまでも、家族で支え合い、思いやり合い、お…

息子とパリへーオコルカ、キセキ?(その3)

さて、先月突如舞い降りたミッション。 一度目の挑戦はあえなく失敗に終わり、作戦を練り直し再度挑戦する事に…。 ただ、あまり長々と説明するのは読む方も飽き飽きすると思うので、今回はまず結果からご報告したいと思います。 2度目の挑戦:第一関門は突破…

息子とパリへーオコルカ、キセキ?(その2)

4カ月程前に、フランスという異国の地で大切な家族を亡くし、その後独り、拙いフランス語で種々の手続きを進めてきましたが、ここへ来て車椅子の息子を連れてパリへ出向く必要が出てきました。 アメリカへの提出用書類に、公証人の前で署名をするためです。 …

息子とパリへーオコルカ、キセキ?(その1)

パリは車椅子利用者にとって便利な街とは言えません。 それは、歴史のある街では往々にして見られる事で、後世に伝えられるべき昔ながらの美しい景観や建築は、全ての人に便利で安全な新しい設備とはなかなか融合させ辛いのは理解できます。 パリに出かける…

ただ傍にいてくれるという事

悲しみは、実感を伴わずに少しずつ蓄積していくようだ。 表面張力の限界をとうに超えて本来ならばあふれ出してしまう状態でも、不自然な平静さで目の前の事をこなせてしまう。 でもこれは、いつ感情の堰が崩壊するか分からない不安定な精神状態なのは何とな…

別れ

寒く薄暗い冬が終わり、暖かな日差し溢れる春が来ると、 人も自然の摂理に従い、冬眠から覚めるように、前に進む力が湧いてきます。 よく、春は新しい出会いの季節、と言いますが、それを裏返せば別れの季節でもありますよね。子供が進学や就職で親元を離れ…