手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

西部戦線異状なし

今年の秋に中学校の最終学年に進級した娘。

宿題やテストの量が一気に増えました。

最近は日が短くなったので、朝は暗い内に家を出て、帰りは日が落ちた後。

帰ってから夕食までの1時間ほどでシャワーを済ませ少し休憩すると、夕食後は深夜まで勉強に追われています…。

 

最近も2週間で本を読み、感想文を書くという課題が出ました。他のクラスの宿題もこなさなければいけない中、かなりハードなスケジュールでした。

 

ただ、学校で指定される本は自分では選ばないジャンルの物が含まれていて、新しい本に出合えるいい機会だとは思います。

 

今回の本はレマルクの「西部戦線異状なし」。

歴史の授業で第一次世界大戦を学ぶのに合わせて国語の授業で指定された読み物です。

前線で無残に散りゆく若者達が描かれています。

 

今、ウクライナをはじめ、世界の様々な国や地域で紛争が続いている事を考えると、今子供たちが読むべき物語なのかもしれません。

 

私も改めて読み、読後、娘と本について少し話しました。

娘曰く、「前線で支え合って生き延びてきた仲間が物語の終盤一人一人死んでしまい、ポールはたった一人残された。次々に戦友を失うポールの絶望を思うと、とても辛くなった。」

 

最近ウクライナ兵士を支える医療陣のドキュメンタリーを見ました。

看護師の一人が、一番辛いのは、犠牲になる若者の姿だと言いました。

ファーストキスの経験も無いようなまだあどけなさの残る若者だ、と。

 

www.youtube.com

 

人類は古代から絶えず戦ってきました。

戦いに勝利すれば讃えられ、負ければ悔しがり復讐の機会を覗う。

戦うには様々な理由がある事は分かります。家族のため、民族のため、宗教のため、国のため…。

或いは、戦う事は遺伝子に組み込まれた抗えない本能なのかもしれません。

 

ただ、娘世代の子供たちが国の行く末を決める立場になった時、「戦う意思のない人々を巻き込み、やりたくもない殺し合いをさせ、多くの犠牲を出す戦争は馬鹿げている。」、と迷わず言えるように成長してほしい。

そして、この本はそれを後押ししてくれるのではないかと思いました。

 

"...the leaders of each country should fight each other in an arena to settle the war; the “wrong” people currently do the fighting.” 

各国のリーダーがどこかのアリーナに集まって、当人同士で戦ってこの戦争に決着つけるといい。今は関係ない人間同士が戦わされている。-----by Remarque