手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

息子とパリへーオコルカ、キセキ?(その3)

さて、先月突如舞い降りたミッション。

一度目の挑戦はあえなく失敗に終わり、作戦を練り直し再度挑戦する事に…。

 

ただ、あまり長々と説明するのは読む方も飽き飽きすると思うので、今回はまず結果からご報告したいと思います。

 

2度目の挑戦:第一関門は突破したものの、第二関門の前で制限時間オーバー。

 

3度目の挑戦:第一関門、第二関門を潜り抜け、ようやくメインミッション遂行後、帰宅時には予期せぬ第三関門、第四関門が立ちはだかりハラハラし通しでしたが、何とか無事帰宅を果たしました!!

 

結局息子が最初に予想した通り、「The third time is the charm」が現実となりました。

 

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皆様、どうしても叶えたい事がある時は、失敗しても挫けず挑戦を続けましょう!

諦めず最後までフィールドに立っていれば、そこにゴールネットがある限り、勝利の女神などいなくても、必ずゴールは決められるのです!

(聞こえる拍手喝采!ありがとうございます!)

 

というわけで、以下、ご興味のある方だけ読み進み下さい。

 

▶2度目の失敗談

8月上旬、最初の挑戦から約2週間後に2度目の挑戦をしました。

 

前回駅員さんに教えてもらった障害者介助サービスには前もってメールで連絡し、メールの受付を知らせる自動返信を受け、いざという時のため電話番号も携帯に登録していました。

 

そして当日。アドバイス通り、電車発車の30分前に駅に到着し、駅員さんに知らせるべく窓口へ行きました。…が、閉まっていて誰もいない様子。

(呼び鈴などもなく、いやぁ~な予感…。)

 

発車20分前。

駅員さん現れる気配なし。

ここぞとばかり登録していたの介助サービスに電話しました。

 

自動音声の指示に従い、電車利用地域を選択すると、あろうことか「ご利用ありがとうございました! 今日のサービスはいかがでしたか? ご意見をお聞かせください!」と、オペレーターをすっ飛ばして、アンケート調査に繋がってしまいました。

その後2度試すも、結果は同じ…。

(急速に垂れ込める暗雲。)

 

と、そこへ、お客さんらしき年配の方が近づいてきました。窓口が閉まっている事を確認するや否や、電車を待つ他のお客さんに助けを求め始めましたた。

どうやらおじさんも外国人の様子。すると、何人目かのおばちゃんがそのおじさんを引き連れホームへと出ていきました。

藁をも掴む思いだった私は、二人についていくことに。

 

おばちゃん「関係者以外立ち入り禁止」の出入り口に行くと、ドアの横のボタンの様な物を押し始めました。しかし、中からは何の反応もありません。

おばちゃんは表情を変えず、執拗にボタンを数十回連打。

(不安的中。)

 

あきらめかけた頃、おもむろにドアが開いて男性が顔を出し、

「いやぁ、駅員さん、トラブル処理で今いないんだよね。」

おじさんが何やら尋ねるのを待って、その人に息子が前回の電車に乗れなかったエピソードを含め事情を話すと、次の電車の運転士に車椅子の利用者がいる事を知らせてくれるとの事。

 

お礼を言って祈る思いで出発ホームへ。この時点で出発まで10分を切っていました。

前回の失敗を糧に、ホーム一番奥の車椅子指定乗り場で待っていると、入ってきた電車の車掌さんがちゃんと降りてきて息子の乗車を見守ってくれました。

 

無事に電車に乗り込み、一安心。「よかったね~」と息子に言うと。

「余計な事を言ってJinxするな(不運を呼ぶような事を言うな。)」とピシャリ。

 

そして、1時間余り後、私たちはパリのリヨン駅に降り立ちました。

ここからは、「完全バリアフリー」と謳われる地下鉄14番線一本で目的地よ…。

 

この頃には不安も掻き消え、意気揚々と14番線乗り場へ通じるエレベーターへ。

しかし、そのエレベータ、直接ホームに通じているかと思いきや、改札口止まり。

改札口を通ると、そこにはホームに通じるエスカレーターと階段が。

ホームは眼下。でもどこを探してもホームへ降りるエレベータが見つかりません…。

 

(うん?)

 

たまたまそこを行きかかったお客さんに、エレベータの場所を尋ねた所、

「こっちにはないよ。でも、ホームの向こう側に続く改札口がもう一つあるから、きっとそっちじゃない?」と教えてもらい、すぐに移動開始。

 

7~80メートル先のもう一方の改札口には、大荷物や乳母車専用の幅広の改札口が設置されていて、

 

「あ~、やっぱりこっちだったのね。分かりやすく看板とかあるといいのにねぇ。」とちょっと安心しながら、改札口を抜けて…

やっぱりエレベータは見当たりません。

 

行き交う人に尋ねると、「こっちにはないよ。」との事。

 

(こっちにもない???)

 

『よし、これはホームに一度降りて、ホームからエレベータで上に上がるのが手っ取り早いな』と閃いた私は、息子を待たせて、一人エスカレーターでホームへ降りました。

 

しかし、ホームの端から端まで隈なく歩くも、エレベーターらしきものは全く見当たりません。

 

(えっ??? どういう事?)

 

「完全バリアフリー」「完全バリアフリー」、と言葉が脳内でリピートし始めます。

 

確かに到着する電車とホームには隙間も段差もない。

でも、ホームに降りられなければ何の意味があるの!?

 

しばし、呆然とした後、気を取り直して息子の待つ上階へ。

 

「エレベータらしきものが見つからなかったんだよね…やっぱり、駅員さんに聞いてみよう」

『きっと安全上の問題か何かで、駅員さんと一緒じゃないと通れない隠れ戸的な通路があるのかも』、と微かな希望を胸に、駅員さんがいる切符売り場へ向かいました。

 

この時点ですでに予約時間まで30分。

地下鉄にさえ乗れれば、ギリギリ間に合う時間。

 

急ぎ尋ねたところ、駅員さんは微かに首を傾げながら、「ちょっと待ってくださいね。」と電話確認。

 

結果、何とこの駅では、現在14番線ホームへは階段かエスカレーターでしか降りられないとの事。14番線を利用するには、まずRER(パリと郊外を結ぶ鉄道)でシャトレ駅まで行って、そこから14番線に乗り換える必要があると…。

 

「完全バリアフリー」「完全バリアフリー」…リピートが止まりません。

 

駅員さんは申し訳なさそうな表情。

もちろん、あなたのせいじゃない。でも、一駅員も知っておく必要がある。

「完全バリアフリー」とは、こういう事じゃない!

 

そこで、一応説明する事に。

「サイトには完全バリアフリーとあったので安心してここまで来ました。念のため介助サービスにも前もってメールしていましたが介助の人はどこにもおらず、電話でも連絡は取れませんでした。」

 

すると、その駅員さん再度電話確認。

そして、サービス予約については言及せずに、

「RERの乗降は介助が必要なので、今日ご利用されるようでしたら、すぐ手配しますが、どうされますか?少し時間がかかるかもしれませんが…。」との事。

 

この時点で予約時間まで20分強。

介助サービスを待って、乗り換えをしていてはもう間に合わない事は明らかでした。

当日の予約時間の変更はできない事を知っていたので、その日は諦めざるを得ませんでした。

 

まぁ、でも今回はパリまでたどり着けたので、一歩前進。

というわけで、息子と慰労ランチする事に。

気になっていたけれど、一人では入り辛かったバーガー屋さんに二人で入り、久しぶりに息子とデートをして帰途につきましたとさ。

 

息子の感想:「ポテトは美味しかったけど、バーガーがなぁ…。僕はマックの方が好きかな。」 (そこかいっ!)