手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

拭き掃除

ここ数カ月、見てみないふりをしてきたもの。

あちこちに溜まった薄い埃の膜。

 

本来の色が少し灰色がかり、過ぎた時間を思わせる。

寂しく愛おしい。

拭いてきれいにするのは心が引けた。

 

だから、毎日見過ごしていた。過去と繋がっていられる気がして。

慰められる気がして。

 

でも、このまま埃の下で暮らしていくわけにはいかない。

 

久しぶりに家中の窓を開けた。窓からは虹の橋が見えた。

いつ以来だろうか。残っていたマスクをして、ぞうきんを固く絞る。