2022-11-06 拭き掃除 ここ数カ月、見てみないふりをしてきたもの。 あちこちに溜まった薄い埃の膜。 本来の色が少し灰色がかり、過ぎた時間を思わせる。 寂しく愛おしい。 拭いてきれいにするのは心が引けた。 だから、毎日見過ごしていた。過去と繋がっていられる気がして。 慰められる気がして。 でも、このまま埃の下で暮らしていくわけにはいかない。 久しぶりに家中の窓を開けた。窓からは虹の橋が見えた。 いつ以来だろうか。残っていたマスクをして、ぞうきんを固く絞る。