手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

ヌクヌクダラダラの季節は終わりか

春。

長い冬眠を経て巣から這い出す虫や動物。芽吹く草木。

年を重ねてくると、自然の摂理に左右されやすくなってきた。

 

冬の間は、やれ寒いとかやれ暗いとか言って買い物以外はほとんど籠りっぱなしだった。家籠りは好きだから軽い家事をして仕事をして子供たちの世話をしているうちに時間は過ぎ、日は過ぎ、月は過ぎていった。

 

でも先月の下旬辺りから妙にソワソワし始めた。いつもの様にただヌクヌクしてただダラダラするのを楽しめなくなってきた。何かしなくちゃ、という焦りにも似た思いが抑えられない。

 

春。

日の出が早くなり、朝食の準備をしているとお日様が上がってくる様になった。天気のいい日には東向きのリビングの窓から綺麗な朝焼けが見える様になり、冬の間は暖を逃さない様に所々閉めっぱなしにしていた雨戸を、先日全開にした。眩しい太陽の下、色々薄目で見えないふりをしてきたホコリやクモの巣がここそこに見える。

ぐりとぐらの大掃除を思い出す。

そろそろか。

 

春。

庭にも色とりどりのプリムローズが咲き始め、何年も前に母に持たせて貰った水仙も満開。でもせっかくの春の花々が、秋冬に掃除を怠ったせいで落ち葉に埋もれてしまっている。ふと見ると溝にも大分落ち葉が溜まっている。

 

日曜の朝、外は薄曇りで何なら少し霧雨も降っている。

でも、もう3月。それほど寒くはない。

朝食を済ませて、掃除機をかける。久しぶりにヘッドをノズルに付け替えて、狭い場所に溜まっていたホコリや天井の隅っこのクモの巣も退治した。

 

続いて庭へ。

車庫から久しぶりに熊手を引っ張り出し落ち葉をかき集め、伸びすぎた細かい枝を切って、ゴミ袋二袋一杯にした。

 

ようやく引き上げてくると子供達が「お昼は何?」、と聞いてきた。

時間を見ると12時過ぎ。もうこんな時間か…。

 

ツナサンドを作っていると、萎び始めた林檎が目に入った。

子供達がサンドイッチを食べてる間、自分はと言えば、居ても立っても居られなくて思わず小麦粉とバターを取り出し林檎ケーキまで焼いてしまった。

 

おやつを食べて、娘のジーンズの裾上げをして、少しリラックス。

よく立ち働いた日の午後はまったりする時間も勝ち取った様で少し誇らしい。

 

春のソワソワに慣れてしまわない内に、あれこれできたらいい。