手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

循環する粒々

この世に存在する物は全て原子からできていると言うのだから、人も言ってみれば小っちゃな粒々の寄せ集まり。

 

粒々の繋がり方が多少緩かったりきつかったりという差はあっても、物質的には植物も動物も、岩も水も、構造的にはあまり違いは無いという事か。

 

不思議なのは、その粒々の集合体に宿る命だ。

生物学の専門家は生命体を観察し、その生命がどのように維持されているかを解明する研究を盛んに行っているのだろうけれど、そもそもなぜ命が宿るのかについては手の付けようがない様子。よく聞くのは隕石が運んできた有機物が生命の起源なのではないかという説。今年はハヤブサ2がリュウグウから持ち帰ったサンプル内に生命活動に必須のアミノ酸が検出された事も話題になったけれど、地球に辿り着いた有機物から生命の誕生に至るまでには数知れずの「なぜ」に答えなければならないだろう。まぁ、命の原点が分からなくても、生きているという事実はあるわけで、目の前の様々な事象のメカニズムを知っていく事で、少しずつ原点に近づいていく方が近道なのかもしれない。

 

いずれにしても、なぜか私は今日もこうして生かされている。

主人の命は春の雨の日に途絶えてしまったけれど、主人を作っていた粒子は風や土や水になって今も地球を循環しているのだろうと思う。

 

クリスマス明けの昼下がり、子どもの頬にふと笑顔が浮かぶのを見て

「どうしたの?」と聞くと、笑顔のまま「うん?何が?」と私を見上げました。

「いや、なんかニコニコしてるから。」と返すと、「えー、そぉ?」、と本人は全く気が付いてなかった様で、「変な人みたいじゃん!」と続けて、ハハハと笑いました。

 

いつも少し遅刻気味だった主人。

彼の愛と優しさを乗せた粒々が一日遅れで我が家に辿り着いたのかも。

そう思うと、少し寂しかった昨日とは打って変わり、今日はちょっと心がふんわり温まって軽くなりました。

さて、新年を迎える前に、少し念入りにお掃除でもするとします。

 

皆様も、どうぞよいお年を。