あなたはいつも
「僕より先に死なないで。」と言った。
「勝手だけど君なしで僕は生きてはいけない。」、と。
あなたは他人に見せるよりずっと臆病で優しかった。
乗せられやすく、人を信じやすかった。
そして期待する分、傷つきやすかった。
仕事の才能はあったけど家の外では独りぼっちだと感じていた。
強がっていたけれど、本当は他愛も無い事で笑い合える友達がそばに欲しかった。
仕事で得られる評価と家族がくれる安らぎだけでは心の隙間は塞がらなくて、いつもどこか寂しそうだった。
それが私にはどうもしてあげられなくて、悲しかった。
でも、人は誰でも塞がらない隙間を抱えていて
どんなに幸せそうな人生を送っている人にだって「これさえあれば」と思う事はあるに違いない。
だったら何も持たずに生まれてきて、
一つだけでも幸せだと思える事を手に入れた人生は100%以上の儲けではないか。
あなたが「君なしでは生きていけない」という度に、
あなたの寂しさを思って悲しくなっていたけれど、
昨日聞いたマカロニえんぴつさんの「なんでもないよ、」を聞いて涙がでた。
もしかしたら、その言葉の裏には、寂しさなどなくて、
ただしみじみと一緒に過ごせる時間に幸せを感じてくれていたのかもしれないと思って救われた。