手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

お日様はいずこ

こちらは目下秋休み。

2週間もあるのだし、近場でいいから、どこかへ出かけようと思っていた。

しかし…、日本では爽やかな秋晴れが多いこの季節だが、こちらは休みに入ってから連日、曇り時々雨か、雨時々曇り。朝起きて窓の外に薄暗く重く広がる曇天を見ては、出かける気がシュンと萎んでしまう…。

 

そして気が付くと遠い空の向こうの今も恐怖や絶望や怒りの中にある人達に思いを馳せている。

私や子供達がその立場だったらと考えると、やはり立ち上がらざるを得ないかも、と思う。自分だけだったらきっと諦めもつく。でも、大切な人には辛い目に合ってほしくない。目の前の人が武器を持って、子供達を傷つけようとするなら、手元にある石を投げ、棒切れを振り回してでも何とか守ろうとするだろう。

 

家族や群れ、縄張りを守るのが多くの動物に見られる習性なら、それらの安全を脅かす敵と戦うのも習性だ。人は戦う理由を色々並べたてるが、基本は皆同じなのだろうと思う。ただ他の動物と違うのは、人間には大切な人や物以外にも自由や信念、信仰など守りたい物が他にも多くあるという事。そして、それを戦いの前面に掲げてしまうと、敵が一気に増えてしまう。私の大切な人を傷つけたあいつは、あの異宗教を信じるあの異民族が暮らすあの国のあのリーダーの先導で銃の引き金を引いた。あいつらを放っておくと、我々も我々の大切な人もいつまでも不幸なままだ…。

 

そして生れ落ちる場所によって、容易に自分が傷つける側にも傷つけられる側にもなってしまう事を考えて、気分が落ち込む。ノアの家族と動物達のつがい以外の地上で生きる全てを洪水で一掃してしまわざるを得なかったユダヤ教イスラム教、キリスト教の共通の神様の気持ちが分からなくもない。同じ様な言い伝えは世界中にあると言うから数千年前の大昔から人間はちっとも変わっていないのだ。

でも神様は、もう二度と人類を一掃する様な洪水は起こさないと約束した。

誰もが正しいと信じて疑わない戦いに終わりはない。

 

そんな事を無駄に悶々と考えながら、秋休み、どんより空の下家に籠って何もしないでいるととめどなく気分が沈み込んでしまう気がして、たまたま運よく平和なこの場所に暮らせている幸せに感謝せねばと自分を励ましつつ、置きっ放しにしていた書類の整理したり、普段行き届かない場所の掃除をしたり、ピアノを練習したり、初めてのレシピに挑戦したりしている。

 

家が多少でもきれいになれば、気分もスッキリするし、子供達が「おいしい!」と喜べば、笑顔にもなれる。そう言えば、最近娘の味蕾の性能に驚かされている。隠し味にと入れた物を悉く言い当ててくるのだ…。

 

さぁ、そろそろランチの準備をしよう。

今日はベーグルサンドとでもいきますか。

10月も今日でおしまい。冬も間近です。

あたたかくして体調には気を付けてまいりましょう。