実は私、勉強は嫌いじゃありません。
記憶力は極めて弱いので年号や人名、公式など、ただ闇雲に覚えても、次の日にはきれいさっぱり忘れてしまいます。なので、中高時代の成績は単元ごとの小テストや学期末位まではいいのですが、広範囲にわたる模試などの結果は目を当てられるものではありませんでした…。
ですが、基本、面白い事好きなので、(どれだけ記憶に残って後々役立つかどうかと聞かれれば答えに窮しますが、)読むこと自体は全く苦になりません。気軽に読めるネット記事やブログ記事をはじめ、エッセイや小説、古典文学(現代語訳ですが)等など、気が付けば日々何か読んでいます。
ただ、やはり一般的な「勉強」というと、如何に得た知識を応用できるかというのが問われるわけなので、嫌いじゃないけれど「勉強好き」とまでは言えませんし、憧れはありますが「教養がある」とも言えません。だって、披露できる確かな成果がないんですから。
で、なぜ今こんな話をしているのかといいますと、難病を抱える息子がコロナ禍でもうかれこれ10カ月以上も高校に通えておらず、一向に勉強が進まない事が心配の種となっているんです。
息子は、昨年秋何とか高校2年に進級はできたものの、在宅での自習には全く向いておらず、勉強している様子が見受けられません。学校の先生も口では心配して下さってはいる様ですが、大勢の生徒がいるので忙しいのでしょう、配布されているであろう補助教材などメールしてくれる訳でも無ければ、詳しい授業内容を知らせてくれる訳でも無く、章が終わる毎にテストがポツポツと送られてくるのみ…。
中級フランス語も怪し~い私ではありますが、母としては、勉強しない息子を放っておく事がどうしてもできず、自宅学習の手助けをしようと頑張りだしたわけです。
ちなみに私は文系ですが、息子は理数系。高校2年生ともなると物理や数学などの科目では私が勉強したことのない事がワンサと出てくるわけです。それにここフランスではフランス語の授業で社会的、哲学的なテーマを扱った小難しい文学作品を読んで文芸批評を書く勉強をします。日本の高校で習う小論文とは違い、作家論や作品論、比較文学などの手法を駆使せねばならず、なかなかのハイレベル…。
ちょっと流石に無理かな~と思いながら息子の脇でちょこちょこ勉強し始めたわけですが…これが何と案外いけるんです。そして久々のお勉強は楽し~!
最近は色んなヘルプ動画も上がってますし、無料の教材もネットに溢れてますもんね。私も長年言語を教えてきましたが、質の高い授業を無料で提供されている先生方には脱帽です。私など自分で作ってきた教材を自分の商売道具とばかりに門外不出と後生大事に守ってきたので、我ながら心の狭さにちょっと反省です…。
何はともあれ、40代も後半に突入し自分の脳みそがどこまで対応できるか分かりませんが、「これどうやるか分かる?」と聞かれた時に、一緒に考えられる位のレベルまでには到達すべく、母は頑張りますよ!
You can't teach an old dog new tricks. Now, you can give an old dog new toys.
And we've got one here!
年寄りの犬に新しい芸は教えられない。でも、年寄りの犬にだって新しいおもちゃは上げられる。ほら、ここに打って付けのがあるじゃないか! -Si Robertson