手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

いよいよSpinrazaによる治療開始

最初の治療日に、針がうまく脊髄に到達しなかったため、日を改めて、2度目の挑戦と相成りました。こちらは、前回同様、用意周到、当日も予定通り難なく病室へ。

 

yamatopiece.hatenablog.com

 

前回、事前検査は済ませてあったので、X線部の処置室が空くまでの待ち時間はゆっくりゆったりと過ぎていきました。

待つ事2時間余り、本を読んでいて首と肩が辛くなり始めた頃、お医者さんからX線部の方へ移動を促されました。

 

どうやら建物が違うらしく、行き方を教えてくれたものの、そこはどっこいフランス語。

「このビルを出て…緊急病棟のX線………。すぐそこだから…。私もすぐ行くので、それまで待っていて下さいね。」

 

必死に集中していたのに、聞きとれたのはこんなもの。これじゃあ、肝心の道順が全く分からん!

 

息子に「どうやって行くって?」と聞くと、何と

「えっ?聞いてなかった。ママ、分かってるみたいだったし…。Oui, ouiとか言ってたじゃん。聞いててほしいんだったら、そう言ってくれないと。」

 

クゥ~、全くこの16才はッ!と思いながらも、ここはグッと抑え、まずは冷静に現状打開策を…。「そうだ!予約日と場所が書いてある紙があるじゃん!」と、持参していた書類の中をガサゴソ探し、ビルの名前を確かめ、移動開始。

 

備えあれば憂いなし。

言葉に自信がない人は、必ず目的地のメモを持ち歩きましょう。

おかげで、お医者さんが教えてくれた道順を一言も聞き洩らさなかった如く、至ってスムーズに指定場所に到着!

 

無事受付を済ませると程なく、息子が呼ばれました。でも、私は待合い室に置き去り。前回と違い、その場に居合わせる事のできなかった私には、何が起きているのか色々想像しながら待つのみ。ネットで見た時には注射自体はスムーズに行けば5分~10分で終わるはずなのに、30分待っても息子は出てきません。「もしかして、また、針が入らないの?」と心配になってきました。

 

ただただ成功を祈りながら、息子が現れるのを見逃すまいと椅子に浅く腰かけて待つ間も、続々と患者さんとその家族が到着します。

 

そこはフランス屈指の小児科病院。だから患者さんといっても、皆子供達。息子と同様、車椅子の子も少なくありません。どの子供達も何らかの健康上の問題を抱えている事は明らかなので、多少騒いでも見守る大人の間には自然と暖かな共感の気持ち溢れるようでした。

もちろん、中には長く待たされてしびれをきらしたのか、スタッフの方に詰め寄るお母さんもいましたが…。それでも、きっとそこに居合わせた全ての親が一度は経験した、わが子を心配する気持ちと焦燥感、不安感、無力感で一杯一杯で、感情がコントロールできなかった自分を見る様なのでしょう、苦い顔をする人はいませんでした。

 

そして約1時間後、ようやく息子のお医者さんの姿が見えました。思わず駆け寄ると、お医者さんはにっこり笑って「ちょっと時間かかりましたけど、うまく行きましたよ」との事!

その後、息子は移動用のベッドに移され、病室に。息子が力なく言うには、「また3度か4度は刺された…。マジ痛かった~」との事。息子よ、よく頑張ったね!

 

帰宅後丸3日間は、脊髄注射の副作用の頭痛で起きていられず、終日ベッドに横になっていました。症状はなかなか良くならず、学校も長く休む事に。結局、完全復活には1週間かかりました。

でも、これで病気の進行が抑えられ、体力が少しでも戻るのであればいいよね。みんなで大好きな日本のお爺ちゃん、お婆ちゃんに会いに行くんだもんね!

 

追記:

2回目の治療は、何と予約日の2日前に病院の都合でキャンセルになりました!しかし、本来であれば3回目の治療(息子にとっては2度目)は予定通り受けられました。こちらは、注射針がスムーズに脊髄に入り、あっと言う間に完了!副作用も4日ほどで治まりました。ネットで同じ治療を受けた患者さんの記録を見ると、大抵は治療の翌日には普通に生活できる様なので、息子がなぜ通常より長く痛みがあるのかは気になりますが、それでも初回に比べると随分楽だったので、よしとします。次回は7月17日の予定です。