手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

手に冷や汗握るフランス語会話

先日、ドキドキしながら電話をした時の事。

いや、その前にちょっとした電話でさえも、それがいかにストレスかを、ご理解いただきたい。

フランス語の上達に呆れるほど時間がかかっている私。移住して5年も経つというのに、下手なフランス語が原因で3日とおかず冷や汗をかく日々。何と言ってもストレスの筆頭となるのは、やはり予期せぬ事が起こり易く、ごまかしがきかない電話。

ネットが普及している現在、毎日コンピュータを使っている世代の人は、案外電話に頼る事は少ないように思います。アメリカに住んでいる頃などは、ほとんどの連絡はメールやメッセージアプリで済ませられてしまい、緊急を要する時以外、電話を使う事など滅多にありませんでした。なので、電話は友だちや家族との楽しい時間に限られていました。

しかし、ここおフランスは、とにかく皆電話好き。ネットのサイトにいっても連絡先は電話番号のみという事が多々ありますし、メールのアイコンがあっても絵を貼り付けているだけでリンク先がなくクリックできない事もしばしば。お世話になっているご近所さんに何か尋ねてもアドバイスはいつも「電話してみたら?」…。

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という訳で、電話は避けられません。病院はもちろん、あらゆるアポは電話でとります。メールをしても、とにかく電話で確認。一昔前の「ファックス送りましたが、届きましたか?」みたいな事がまだ日常なわけです。なので、こちらも掛けなければいけないし、携帯もよく鳴ります。そして、その度にイヤな汗をかくわけです。

 

そして、本題。

数週間前、運転中に追突され、バンパーとバックライトが損傷しました。でも対面でできる事故後の手続きなどは問題なく進み、修理工による点検も済み、あとは指定の日に車を持って行って修理をしてもらうだけの段階になり一安心。

ところが、修理日をお知らせしますと言われてから数週間、待てど暮らせど、ガレージから一向に音沙汰無し。電話は苦手なので、躊躇していましたが、やはり安全性を考えるといつまでも放置しておくわけにもいかず、先週、意を決して電話をしました。

すると、電話口に出た修理工のおじちゃん(とは言っても私と同世代か…)が、何の変哲もないご挨拶。「Bonjour, madame.  Vous allez bien?-ボンジュール、マダム。ヴザレ ビヤン?-こんちは奥さん。お元気ですか?」そう。誰もが毎日何度となく口にする挨拶言葉。

でも、その声を聞いた瞬間、思わず頬がほころびました!

いや、おじちゃんの声が渋いとか、甘いとか、セクシーとかそういうんじゃないんです。

こう、なんというか、優しい気持ちと笑顔が乗った声とでもいいましょうか…とにかく、こちらの苦手意識で強張った心と肩からフッと力が抜けて安心できるような、そんな素敵な声と話し方だったわけです。

結局、部品が予定通りに届いてなくて、いつ納品されるかも定かじゃないので、もう少し待って、という内容の会話で、何の実りもない電話でしたが、「電話して良かった」と思えた初めての経験でした。

声一つ、話し方一つで、こんなにも相手の気持ちを和ませられるとは!おじちゃん、凄い!

 

私は、どうにもお喋りが過ぎる傾向があり、いつも反省しきりではありますが、これからは、雑にワーワーまくし立てるばかりじゃなく、相手の心をホッと緩める、思い遣りのある話し方心がけたいと思いました!

 

とは言っても、こちらの気持ちに余裕がないと細やかな心遣いは難しいよなぁ。

まずは話す時に文法と単語で頭が一杯になる状態を脱しなければ…。何事も努力あるのみ。