手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

半引きこもり生活、脱出(実はしたくない?)

さて、活動の幅を少しずつ広げようと、巡ってくるチャンスは出来るだけ有効活用しようと頑張ってきたわけですが、ここへきて、ガス欠です。

 

以下、2カ月ほどかけて、準備して、ようやくネットにあげたウエブサイトです。

サイトのロゴなど、まだまだ、手を加える所は沢山ありますが、足掛かりになる基本の形はできたかな?全くの素人でも、ある程度のウェブページが作れるStrikinglyの様なサイトは助かります。

 

wagokoro.strikingly.com

見ての通り、まだ現実には何も始まっていませんが、準備段階は佳境にさしかかっており、外出が増え、見ず知らずの人との接触が避けられない状況です。

苦手なのです。外出も、社交の場も。今まではずっと避けてきたのです。

自分では、好きな人、信頼できる人と一緒に少しずつ歩を進めていこうと思っていたのに、その一歩一歩が、次元を超えている感覚で、何だか、いつの間にか、渦の中心に陥って、周りのグルグルに歯止めがかからなくなっています。ひぇえ~!

 

分かっています。世の多くの方々にとっては、「何をこの程度のお遊びで、大げさな!」というレベルだという事は。でも、人それぞれ許容範囲は違っていて、私には現時点で精一杯なわけです。

 

そして、ここ二日間、例の如く、身体が急ブレーキをかけて、寝込んでました。片頭痛です。目の奥が、頭がズキズキと痛み、目を開けていられません。部屋を暗くして、頭を冷やして、吐き気と闘うのです。

 

私の体は正直で、辛いなと実感し始めるころには、時すでに遅しで、必ずと言っていいほど動けなくなります。

 

yamatopiece.hatenablog.com

 

ここはおフランス。みんなマイペースに、できるだけ無理せずに生きる文化なはずなのに、一人息を切らして突っ走る自分。他の選手は1キロ走ったら、頑張ったねと自分に労いの言葉をかけて、シャワーを浴び、お茶を飲んで、洗い立てのユニフォームに着替えて、次の1キロに備えているというのに、私はマラソンの経験など無いのに休まず10キロ走って、まだゴールはずっと先だというのに、脚が縺れて、転んで、膝擦りむいて痛くて、立ち上がれない

ハワイに住んでいる時もそうでした。

 

そんな私を見かねて、旦那は言います。「日本人。いい加減、やめたら?」

 

擦りむいた膝に絆創膏貼りながら、空を見上げて、途方にくれる。

「どうやったら、やめられるのか、誰か、おしえてよ~」

臨床試験SUNFISH-スクリーニング検査の結果

去る6月、息子が治験参加に向けたスクリーニング検査のため、パリの病院で2日過ごし、その後も2週間ほどおいて、超音波検査やら血液検査をしました。まだ、治験段階のお薬なので、極力被験者に害が及ばない様に慎重な検査が行われました。

結果、超音波検査で軽度の異常が見られたため、残念ながら今回は息子の参加はなりませんでした。息子も、私たち親も、実家の両親も、期待していた分、やはりがっかりしました…

 

でも、よくよく考えてみると、誰も何も失っていません。

 

もちろん時間と労力は費やしましたが、私たちの置かれている状況はこれまでと変わっていない訳で、息子も相変わらず好きなゲームをしたり、アニメを見たりして、呑気に大口開けて笑っています。勉強しないので、時々けんかもしますが、至って平穏な毎日です。

 

心配は常にあります。将来の事も考えます。

悩みの中身には多少違いがあると思いますが、親は子供を心配するようにできているので、これも何ら特別な事ではありませんよね。

夏休み。楽しい思い出を少しでも多く作れるよう、面倒くさがりですが、それなりに、頑張ります。

"All of us are products of our childhood.”  -Michael Jackson

 僕たち みんな、子供時代の産物さ。

 

皆さんも、熱中症に気を付けて、楽しい夏をお過ごし下さい!

 

 日々、新しい治療薬の承認に向けて希望を持って弛みない努力を続けて下さっている多くの研究者の方、患者さんとそのご家族、お医者さんなど、皆さんに感謝しながら…。

パリ、ぼっち散歩

以前にも書きましたが、わたくし、出不精です。

パリから電車で1時間ちょいの所に住んでいますが、どうしても外せない用事でもない限り、自分から進んで行きたいとは、全く思いません。

 

なので、友達に「フランスの生活慣れた~?きっと楽しい事一杯なんだろうねぇ。」と羨まし気に言われても、返事のしようがありません。

「○✖は素敵よ~」とも「○▽は美味しくって、週一で通ってるわ~」とも言えません。

だって、パリに行く事を考えただけで、ストレスで頭痛がするんです。

 

しかし、外せない用事、できてしましました。

子供達のパスポートの更新です。秋には切れてしまうので、大好きな実家に帰るためにも、どうしても必要です。

 

という訳で、先々週、一人でパリに行ってきました。

 

独りぼっちのパリは何カ月ぶりか…。気分は、気が付けば見知らぬ地に迷い込んだ放浪者。

これで、今は昔、紙の地図を片手に目的地まで行けと言われれば、方向音痴の私にはお手上げです。しかし、今は現代。ポケットにスマホさへがあれば、言葉なんて通じなくたって、どこへだって行けちゃうんです。外国語の教科書には必ず載っている「道を尋ねる」チャプターも必要なくなっちゃいました。社交性に欠ける私にとっては、見ず知らずの、親切かそうでないかも分からない道行く人にへったくそなフランス語で話しかけなければいけない状況も避けられます。スマホ様様!

 

おかげで、都会を移動するストレスはあったものの、日本大使館には難なく到着。必要な書類の提出にかかった時間は5分…。往復3時間かかるパリまでせっかく来たのに、これだけでとんぼ返りするのは、流石にもったいない。

 

なので、通りかかったまだお昼前でお客さんのいないベーグル屋さんに立ち寄り、サンドイッチを頬張りながら、日本大使館の近くで面白そうな美術館はないか調べました。すると案の定、ありました、ありました。パリは小さな美術館が多数散在しているので、行く先々で、歩いて行ける距離に必ずと言っていいほど美術館があります。

しめしめ、と自然に笑顔になるのをカモフラージュするために、口元にナプキンを…

と、何やら視線が!

 

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これは無理だろう、と裏っ返すと、そこにも男性像。

仕方がないのでナプキンの端~っこの方で口元をぬぐいました…。

 

今回選んだのは日本大使館と同じ8区にあるMusée Jaquemart André。f:id:yamatopiece:20180730201449j:imagef:id:yamatopiece:20180730202619j:image

元々は裕福な美術品収集家の個人邸でしたが、1912年Jacquemartさんの遺言に従ってフランス学士院所属の美術館となりました。 ヴィーナスの誕生などで有名な初期ルネッサンス画家のボッティチェリや、様々な肖像画や宗教画、エッチングを手掛けたバロック画家のレンブラントなどの作品も展示されていて、小規模ながらも、見ごたえ十分な美術館でした!

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そして、何よりも、人混みが苦手な私には、どこの部屋を回っても多くて2人か3人ほどしか観覧者がいなかったのが良かったです。気に入った作品の前でゆっくり立ち止まっても誰の邪魔をする心配もなく、小さな部屋でも酸欠に陥りそうな不安もなく、落ち着いた気持ちで静かに心行くまで鑑賞できました。

美術館を出て、そのまま帰ろうかとも思いましたが、ブログを時々訪ねて下さる皆さんにパリの空気をお届けすべく、運動不足の解消も兼ねて、美術館から真っすぐにセーヌ川を目指して散歩する事に。その日は、それほど暑くなく散歩日和。でも、人混みと車の多さに空気の悪さに、15分もすると後悔し始めました…。

てくてく。途中のSaint-Augustin教会を見たら帰ろうかな、と思い始めましたが、着いてみたらお昼休みで閉まってました。教会まで昼休みとは、流石おフランス。午後の開扉時間まで30分…待とうかな、とも思いましたが、教会前の階段で仲睦まじいカップルがイチャイチャしており、こっちの方が恥ずかしくなり、最寄りのSaint-Madelaine教会までさらに歩く事に。

Saint-Madelaineはナポレオンがフランス軍を讃えるための神殿として、ローマの神殿を模したデザインで建築が開始されたそうですが、ナポレオン失脚後、元々建設が予定されていた聖マドレーヌに捧げるカトリック教会として使われれる事になったとの事。そのためか、外観だけ見ると、教会には見えません。

www.eglise-lamadeleine.com

中は平日の午後2時過ぎにも関わらず、混んでいて、ザワザワ。人だかりが苦手な私は目の奥がズーンと重くなり出し耐えられず、15分ほどで降参。19世紀に建てられたとあって比較的新しい教会ですが、何故か私はもっと古い時代の建築の方が好きなようです。何というか、あの17世紀以降に建てられた建築物は、どっしりと威張った感じで、権力を見せつけようとする感じと言えばいいでしょうか。そう、日本の国会議事堂みたいな感じで、私が魅力的に感じる、繊細で移ろいやすいけれど、時代を超えて受け継がれていく普遍的な柔らい美しさに欠けるんですよね。

 

人混みと排気ガスですでに十分ダメージを受けた私は、そろそろメトロに乗って帰途につこうかと思いながら教会を出ました。しかし目の前に見えたのは…f:id:yamatopiece:20180730201943j:image

オベリスクがそびえ立つコンコルド広場。そう、3000年以上も前のラムセス2世の治世を讃えるヒエログリフが刻まれた、あのオベリスクです。19世紀にパドル船にてエジプトはアレキサンドリアからはるばる運ばれてきました。

そう言えば、オベリスクも近くで、じっくり見た事なかったなぁ、と思い、ニンジンを鼻先に吊るされた馬の如く、自然と足がそちらへ。

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でも、この日は近々何かイベントがあるのか、柵やらテントやらがゴチャゴチャと設置されており、結局近くには行けず、がっかり。せっかく歩いたのに…。

 

コンコルド広場を歩いて、最初の目的だったセーヌ川の川岸までたどり着き、エッフェル塔をしばし眺めた後、バスに乗って帰途につきました。

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この日の歩数は11,343歩。何はともあれ、ちゃんとパスポート申請書類も提出できましたし、いい美術館を観て、いつになく頑張って沢山歩いたので、褒めてあげるとしましょう。

RO7034067臨床試験SUNFISH-スクリーニング検査

去る6月11日と12日の二日間、パリの小児科病院で治験参加に向けたスクリーニング検査を受けてきました。

 

我が家はパリまで電車で1時間ちょっと、車でも渋滞がなければ1時間半強の距離にあります。でも、平日にパリまで渋滞がないなんて事はあるわけもなく、ラッシュアワーともなると裕に3時間はかかります。今回の予約は朝8時半という事もあり、車で行くとなると遅くとも5時半に家を出ないといけなに計算に…。その日丸一日検査して帰宅し、翌日も同じスケジュールで移動するとなると、これは辛い。

 

では、電車はどうか、というと、車椅子での電車移動は、奇跡的にすべてが予定通りにいったとしても困難極まりない!そう、ここは忘れる事なかれ、おフランス。良くも、悪くも、すべてがゆる~い感じで動いているので、介助をお願いした駅に駅員さんがいるのか、その駅のリフトは動く状態なのか、エレベーターは故障していないのか、そもそも電車は予定通りの時間に発着するのか等々、心配し始めると切りがありません。

 

という訳で、今回は日曜にパリ入りし、病院近くのホテルで2泊する事にしました。そして、ついひと月前に登録したばかりの県が運営する障害者用のタクシーを使ってみる事にしました。電動車椅子でそのまま乗り込めるので、誰かに押してもらう必要がなく、息子も自由に動き回れるのがいい所。

 

初めてのタクシーは多少連絡が行き届いていないところもありましたが、それでも無事目的地に到着。その日お昼を食べて近くのBrocante(蚤の市)を見て回る余裕もありました!

 

そして、検査当日。

お医者さん数名、看護婦さん数名、事務担当者と、息子は常に沢山の大人に囲まれて次々と色々な検査が進められました。計5時間にも及ぶ運動能力テストに始まり、肺活量、眼科検診、心電図、血液検査等々。見ていても大変なのは明らかでしたが、わが息子、弱音を吐かずに頑張りました。あっぱれ!

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検査から10日後、追加検査が必要との事でまた、パリへ招集がかかりました。

しかし、息子は中学校最後の学力テスト(Brevet)を数日後に控えてちょっと風邪気味だったため、パリまで出向くのは体力的に難しい旨説明して、近くの病院で検査をしてもらいました。約束通り、ちゃんと検査結果をパリの病院に送ってくれるといいのですが…。

 

7月10日には被験者選定が完了するとの事。

さて、結果は如何に?

RG7916臨床試験参加に向けたスクリーニング検査

このブログでも以前紹介した臨床試験中のRG7916ですが、昨年末の定期健診時にパリの小児神経科のお医者さんから被験者募集中との説明を受けました。

 

yamatopiece.hatenablog.com

 

yamatopiece.hatenablog.com

 

 息子とも相談した結果、参加してみたい旨伝えてから半年、いよいよ来週の頭に、参加資格があるかを調べるスクリーニング検査を受ける事になりました。

この第2フェーズ臨床試験はSUNFISHと呼ばれており、第一部と二部に分かれています。第一部では、51人の被験者を対象に薬の投与量を決めるための試験が行われ、第2部では、168人の患者さんを対象に第一部で決められた投与量でどのような効き目または副作用があるかを調査するとの事です。第一部はすでに完了しており、現在被験者を募集しているのは第二部です。試験は25カ月に渡り行われますが、最初の12カ月は被験者の3人に1人は薬の効果や安全性を比較検証するためプラセボ投与となります。

昨年7月にEUでもSPINRAZAが承認されて1年弱、フランスでも脊髄注射による治療が始まっていますが、息子のお医者さんによると、治療が開始されて、まだ間もない事もあり、3型の患者さんへの効果はまだはっきりしていないとの事。また、脊髄注射はどうしてもリスクが伴うため、緊急を要さない3型の患者さんには、選択肢として提示するものの、現時点では効果は約束できないという立場でした。

わが息子、15才になりましたが、ここ数年でグンと成長し、身長は180cm、体重も随分増え、健常者であれば喜ばしい事この上ない成長ぶりですが、SMAを患う息子にとっては父親の身長を超えて誇らしい部分もあるようですが、大きくなって重たくなった体を動かすのは一苦労。ここ一年程は徐々に動くのが難しくなって、1年半位前は手すりに摑まればトイレやお風呂へも歩けていたのが、今では調子の良い時でも介助を受けながら5歩前後が精一杯です。そして、何もしなければ、これからも筋力は少しずつ衰えていきます。

日本が大好きな息子。おじいちゃん、おばあちゃんが大好きな息子。でも、実家は、トイレに段差、お風呂に段差と行く手を阻む障害物だらけ。息子の病気の進行が抑えられ、少しずつでも筋力が回復して、また実家のお風呂に入れるようになるといいな、と願いつつ、来週のスクリーニング検査に行ってきます。

SMA治療法に関する発表内容~2018年AAN年次学会(米国神経学会)~

去る4月21日~27日、ロサンゼルスでAAN(米国神経学会)の年次学会が行われました。神経学に関る最新の研究成果や臨床試験の結果が発表されました。

これまで、このブログでもお伝えしてきたSMA(脊髄性筋萎縮症)のための新薬関連の結果や成果も多く発表された様ですので、簡単に発表内容をお知らせしたいと思います。

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⒈ 遺伝子治療 AVXS-101

まずはAveXis社開発のAVXS-101関連ですが、同社はこれまでSMA1型と2型の患者さんを対象にした臨床試験を行ってきましたが、今回、新たにSPR1NTと呼ばれる臨床試験フェーズ3が開始され、こちらの試験は3型の患者さんまで対象枠が広げられ、最初の被験者グループに薬が投与されたとの事です。このSPR1NTは、13か国で臨床試験が行われる予定で、日本も参加国の一つに挙げられています(臨床試験実施医療機関東京女子医科大学遺伝子医療センター;担当:齋藤加代子先生-

「自分の目の黒いうちに治したい」 斎藤加代子さん|WOMAN SMART|NIKKEI STYLE

また、AveXis社では、SPR1NTと並行して、SMA1型を患うの生後6カ月以内の乳児を対象にしたSTR1VEと呼ばれる臨床試験フェーズ3への被験者の登録、並びに2型の乳幼児(生後60カ月以内)を対象としたSTRONGでも被験者の募集も行っています。

 

SMA1型を患う子供達は、通常、平均、生後10.5カ月で人工呼吸管理などのライフサポートが必要となり、9割以上が生後20カ月以内に亡くなると言われます。STR1VEでは、AVXS-101よる一度の遺伝子治療の目標として、生後14カ月の時点で人工呼吸管理が不要、生後18カ月時点で支え無しで30秒以上独り座りができる事を掲げています。

 

今回の学会では、2014年5月から2017年12月までの期間行われたSTR1VE臨床試験フェーズ1の被験者の投薬後24か月検査結果も発表され、それによると被験者15名のSMA1型の子供達の全てが生存しており、常に人工呼吸器を必要とする子供は一人もいないとの事です。15名の内、高用量を投与された12名の子供達の中には30秒以上一人で座る以外にも、寝返りができるようになったり、歩く事ができるようになったりした子もいるとの事です(最年長の子供は生後46.2カ月)。治療後24カ月時点で12名中、11名が「30秒以上一人で座る」という目標を達成したと発表されました。また、AVXS-101の安全面についても、引き続き問題は見つかっていないとの事です。

 

⒉ 経口錠剤 RG7916(SMN2のスプライシングに働きかけ機能SMN蛋白を増やす)

今回の学会では、全てのRG7916の臨床試験(SMA1型乳児対象のFIREFISHーフェーズ2/3、SMA2型&3型対象のSUNFISH-フェーズ2/3&JEWELFISH-フェーズ2)において、投薬期間後、機能SMN蛋白の量が治療前と比較して、最高で6.5倍まで増えた事が発表されました。

以前もお伝えしたようにSUNFISHの臨床試験は日本でも実施予定で、福岡市立こども病院、兵庫医科大学病院、広島大学病院国立国際医療研究センターではすでに募集が開始されています。

 

yamatopiece.hatenablog.com

 

脊髄注射 Spinraza(SMN2のスプライシングに働きかけ機能SMN蛋白を増やす)

SMAの治療薬として唯一承認されたSpinrazaの臨床試験フェーズ3の途中結果が発表されました。SHINEと呼ばれるSMA1型の乳幼児を対象とした臨床試験では、全ての被験者に運動能力と呼吸機能の向上が見られているとの事です。また、SMA2型、3型の患者さん(年齢幅:2~15才)では、数回の投薬後に6分間歩行テスト(6MWT)が行われ、治療前に比べ中央値で98メートル歩行距離が伸びたと報告されました。薬の安全性についても、新たな問題は見つかっていない様です。

スピンラザの治療についての詳細は以下のサイトに説明があります。

https://www.pat.spinraza.jp/content/dam/commercial-jp/specialty/spinraza/pat/ja-jp/pdf/it_guide.pdf

 

日々研究開発に勤しんで下さっている皆様に感謝しつつ、

早く患者さん全てに治療がいきわたる日が来るよう祈りながら、

今日も一日大切に生きたいと思います。

 

 

SMA1型のための遺伝子治療薬AVXS-101が日本の「先駆け審査」に指定されました

去る3月27日、以前、このブログでもご紹介したAveXis社のSMA1型並びに2型向けの遺伝子治療薬AVXS-101に、日本の「先駆け審査指定制度」が適用される事になりました。

markets.businessinsider.com

www.mhlw.go.jp

これは同新薬の治験フェーズ1の結果に基づいた判断で、アメリカの「Breakthrough(革新的新薬)指定」、「Orphan drug(希少疾病用医薬品)指定」やヨーロッパの「PRIority Medicines(優先審査指定医薬品)」に続く適用となります。

日本は一般的に、新薬の承認に時間がかかる事で知られています。審査が迅速に行われる事で、難病を患っている患者さんとそのご家族のためにも、他国に遅れずに新薬による治療が開始される事を祈っています。

 

世界中で新薬の研究開発に携わって下さっている方々に感謝しつつ、

今日も大切に過ごしていきたいと思います。