手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

趣味が辛いって?

独学でピアノの練習を始めてかれこれ3か月。

何とか楽譜通りに指が動くようになってきたものの、イメージする曲の流れと抑揚にはまだほど遠いのが現実…。弾き始めは深く優しいピアノの音に揺られるように気持ちよく弾けるのですが、中ほどに差し掛かると、前半うまく弾ければ弾けるほど、どうしても「間違わないように」とか、「次は親指!人差し指は使わない!」とか変なプレッシャーに飲まれてしまいます。誰に聞かせる訳でもないのに、なんで自分にこれだけプレッシャーをかけてしまうんでしょうか??

真面目な人ほど色んなことを背負い込んで苦しくなると言いますが、ピアノを練習し始めて思うのは、案外、周りの人に与えられるプレッシャーよりも、自分への「こうあるべきだ」という義務感や責任感、期待感などがストレスの一番の原因ではないか、という事です。

これまでの仕事の経験を振り返ってみても、ストレスを感じる時は、大抵自分がいい仕事をして、何らかの結果を出したいと思っている時でした。深夜、寝る間も削って懸命に仕事をする時、「期限内に自分にできる最高の仕事をしろ!」、と鞭打っているのは他ならぬ自分です。幸か不幸か、私の仕事は、ほとんどの場合、自分の決めたペースで進められます。そして上司も部下も存在しないので、成功も失敗も全ては自分の責任です。

こんな私の働き方を見て、旦那は「いい加減、日本人やめたらどうだ!」、といつも言います。その都度「次の仕事があるかどうかは、今の仕事に掛かっているんだから」と説明していました。自分でもそう納得していたのです。

 

でも、ピアノを練習し始めて、自分自身がストレスの原因だと初めて気が付きました。だって、上手く弾けようが、下手にしか弾けなかろうが、どうでもいい事なはずなんです。素人の独学。楽しく練習して、上達してきたら、上手になったね、と自分を褒めてあげればいいはずなんです。もう楽譜も覚えて、指もそれなりに動くようになったんだから、後はリラックスして弾ければ、きっともっと音色や和音や曲の流れに集中して、イメージに近い曲になるに違いないのに…。

なので今は、ピアノに向かう時は鍵盤に触れる前に大きく深呼吸して、これから美しい曲を聴くんだ、というワクワクする心の準備をするようにしています。ピアノを練習しているのは、あくまでも生きている時間を大切にし、ささやかな幸せを増やす事が目的ですから。

みなさんも力が入り過ぎていませんか。深く呼吸をして、肩の力を抜きましょう。忙しくて混乱しがちな頭の中に新鮮な酸素を送り込み、一旦すべてを白紙に戻しましょう。そうすれば、一番大切な事がおのずと浮かび上がり、そのために頑張る気力が生まれるのではないでしょうか。

 

今日も、皆さんの一日がいい日でありますように。

そして、一日の終わりには、「今日も、よくやった!」と自分を褒めてあげられますように。