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日本の心

世界中の若者らの間で人気のアニメや漫画。

最近の作品は、子供たちが好きな物の名前が分かるぐらいで

詳しい中身は分かりませんが、

日本人だったら、大抵一つは好きなものがある

、と言っても過言ではないのではないでしょうか。

 

私が唯一好きだった漫画は「ガラスの仮面」。

学校で演劇クラブに入っていたのも影響しているのかと思います。

これは、長く続いてますよね。何世代もまたいでいるので、

登場人物の服装やセリフなどにも時代の重みが感じられて

それがまたいいんですよね。

 

そう考えると漫画も一つの立派な歴史的資料。

 

アニメが媒体となって、世界の若者たちは日本に興味をもち、

「一度は行ってみたい国」となっています。

ランドセルをしょった若者たちの映像も出回ってますよね。

 

きっかけが何にせよ、それで日本が好きな人が増えるのは、やっぱり嬉しいものです。

 

外国暮らしをして思うのは、年配の方にも日本に興味を持っている人が多い事です。

こちらは健康方面(緑茶や豆腐、こんにゃくなど)、芸術方面(映画、小説、美術や音楽関連)、伝統文化方面(茶道、生け花、折り紙)、スポーツ(柔道、合気道、や空手)など、興味の対象が多岐に渡ります。

日本の伝統文化や芸術、スポーツの事を少し踏み込んで話そうとすると

いつも行きつくところは神道であり和の心です。

 

神道では、八百万の神々が人が暮らす世界の隅々に宿り、

我々人間もどんなにあがいて、抵抗しても、所詮は自然の一部であり、

大きな力には屈服するしかないという、人間の無力さが根底にあるのだと思います。

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この里は丹生の川上ほど近し 祈らば晴れよ五月雨の空

                     (新葉和歌集 十六雑 後醍醐天皇御製)

簡単に言えば

「人は、自然に生かされており、自分以外の人を含め、

神の宿る森羅万象と助け合ってでなければ生きてはいけない。」

という事でしょうか。(間違っていたらスミマセン。宗教家ではアリマセン。)

 

この思想には、他の文化や宗教思想に矛盾する事なく、人が穏やかに幸せに暮らしていくための普遍的な教えが凝縮されているのだと思います。

 

どのような文化でも、どのような宗教でも、おそらく

「周りは全て敵だ!戦え、そして征服しろ!それだけが幸福への道だ!」

とは教えていないはずです。

 

古い時代、人が小さな集団で狩りをしながら暮らしていた頃。

自然をおそれ、自然の恵みに感謝しながら、皆で心を合わせて生きていた頃。

その頃から、何にも矛盾する事なく続いているのが神道の神髄ではないでしょうか。

 

この古い時代は、時期こそ異なりますが、世界中で人類が必ず共有した時代です。

そこに遡る思想に立ち返れば、苦しい時期を乗り越えるヒントがみつかるのかもしれません。