手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

海外生活、不便と大変さの向こう

外国に住んでみて初めて知る日本の良さ。

日本に住んでいると当たり前すぎて気にもかけなかった事が

実は世界では稀にみる質の高さだった、ていうのはよく聞く話しですよね。

 

代表的なのは治安の良さですが、配達時間の正確さやサービス業に従事する方々の対応のすばらしさも特筆すべき事の一つ。子供のころから「時間厳守!」「相手の事も考えなさい!」と洗脳されている(?)せいでしょうか、どこへ行っても日本人の丁寧、親切、迅速な働きぶりには頭が下がります。フランスでは、たまに運よくそういうサービスに出くわすと皆感動して、願わくはこの人といい関係を繋ぎとめようと、お礼用の高級チョコが売れます。そんな生活に慣れてしまった私は帰国の度に感激して「あーできる事なら日本の皆さんにもれなくチョコあげたい!」と本気で思います。そして蔓延る頑張りに「息抜きできてるかな」と少し心配にもなります。フランス人は2カ月に一回は休暇とってるのにって。

 

と書くと、「日本が一番ならわざわざ海外生活しなくてもいいよね」、と思われるかもしれませんが、日々の生活の不便さを経験してもなお、やはりチャンスがあれば日本を離れてみる事はいい事だなと思います。

 

なぜか。理由は色々ありますが一番はやはり…

言語の壁と格闘しながら自分とは違う価値観に戸惑いながらも、そこで住む人々と触れ合い、そこで大切にされている伝統や美術を目の当たりにし、歴史や文化を学ぶ。そうしていく内に人間は皆それほど変わらないのだという事を知る事ができる

という事です。

 

そこそこ時間はかかるけれど、世界中のどこに住んでいても人は誰であれ、それぞれ友人を大切にし、家族を大切にし、外の世界に憧れながらも知らず知らずの内に自分の文化に染まり、それぞれの生活環境に順応した価値観が生まれているのだという事が徐々に見えてきます。

 

大部分の人は争いを好まず、困っている人が近くにいればできる範囲で助けてあげたいし、外国人は得たいが知れなくて最初はちょっと警戒するけれど気にはなるし毎日ニコニコ挨拶してくれればちょっと話しかけてみようかと思う。海外生活は自分が助けを必要とする立場にならざるを得ない貴重な機会。それと同時に人の優しさに直に触れてしみじみと感謝の気持ちを味合う事のできる機会だとも思うのです。

 

「一見自分とは違っても、皆おんなじ人間なんだ。」

これを実体験を通して感じられるだけで、価値あるなと思わされます。

そうすれば自然と、外見は気にならなくなり、目の前の人の心や考え方に目が向くようになるような気がしています。

 

あともう一つのいい事…。

 

我が家の子供たち、私が「いいな」と思う物以外にも「ナンジャコリャ!」とセンスを疑う物にまで「かわいい!」「かっこいい!!」「凄い!!!」と高評価を連発します。若い世代と感覚が違うのは当然ですが、それでも異文化の価値観が混ざり合っていい物として受け入れられる幅が本当に広いなと感心します。

 

「素敵」が溢れる環境。日々が鮮やかに彩られて楽しそうです。