手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

コロナとフランスと我が家

フランス。ご存知の通り目下厳しい外出禁止令が布かれています。

日本でも緊急事態宣言が為され、皆さん不安な毎日を過ごされている事と思います。

 

幸いにも我が家は森に囲まれた人口800人余りの小さな村にあるため、家にいる分には普段とあまり変わらない生活です。しかし、家族4人、どうしても週に1回程度は買い出しに出かける必要があります。

 

3月半ば、6,633件の感染例(うち148人死亡)の時点で、学校や不特定多数が集まりやすいお店の閉鎖が決まり、外出自粛要請が出ました。その頃はまだ、それほど緊張感もなく、春の陽気に誘われて外出する人も大勢いました。スーパーも老若男女で賑わい、レジの人と馴染みのお客さんが冗談を言い合うので、どうしても待ち時間が長くなるいつもと変わらない風景がありました。

 

でも、日を追うごとに倍増する感染者と重症患者数に、それまでどこか感染抑制に自信ありげだった政府に緊張が走り、「外出は控えて下さい」が「外出厳禁」になるまで2週間もかかりませんでした。

 

そして現在、スーパーではレジや商品の補充をするスタッフは全てマスク姿。お客さんの半数以上がマスクをして、中にはゴム手袋をしている人も見かけるようになりました。家族連れでの買い物客も見なくなりました。ただ心配なのは重症化するリスクが大きいはずの年配の方は依然として多く、そのほとんどはマスクが無い事です。おそらく回りに気に掛けてくれる若い世代がいないのかと思われます。1カ月前まで政府はマスクは不要という立場でしたが、ここへきて、「推奨する」としました。しかし、マスク不足はフランスも例外ではなく、処方箋がないとマスクが買えない状況です。

マスク無しの方を見るたびに、かかりつけのお医者さんが高リスクの患者さんには普段のお薬と一緒にマスクの処方箋を出してあげればいいのに、と思います。高リスクの方々を守れないと事態はなかなか収束に向かわないのではと思うからです。

 

我が家は、と言えば、主人は持病がありますし、息子は障害があるので、今の所マスクは十分にあります。買い出しは専ら私が担当。とにかく、ウィルスを持ち帰らないように、帰宅時は気を遣います。

 

で、もう一つの心配。それは息子の治療。

実は、外出禁止令が出た3月17日の午前中に治療が予定されていました。脊髄注射なのですが、通常はスキャナで針の挿入箇所を確認しながら注射を行なっています。しかし今回は、ウィルス感染の拡大を受け病院のX線科の予約が全てキャンセルに。

それを聞いた息子は、前回はスキャナを使ってさえ6回目でやっと成功したんだから、スキャナ無しでうまくいくはずがない、と渋っていました。でも、私としては、やはり、定期的に治療を受けさせてあげたい思いもあり、お医者さんも前回の治療の際に写真を撮っているから大丈夫だろう、という話だったので、何とか息子を宥めて連れて行きました。

が、蓋を開けてみると、息子の予感は的中し、結局5回試して5回失敗して今回の治療は断念となりました…。気が進まなかった息子を無理やり連れて行って、痛い思いだけさせてしまったという反省もありましたが、それよりもコロナウィルスがいつ終息するか分からない状況で、次回の予約は取れず、今後の事が気掛かりな結果となりました。

とは言え、私にできる事は、一日も早い収束を祈りながら、自身が感染しないよう、感染源にならないよう日々気を付けるだけ。

 

どうか、日本の皆さんも、自分を守り、自分の愛する人を守るための一つ一つの気遣いが、医療従事者や介護者の方々をはじめ、見ず知らずの誰かを守る事につながるんだという思いで過ごしてください。今こそ皆さんの小さなスーパーパワーの見せ所です。

 

「いやぁ、ほんと大変だったけど、みんな頑張ったよね~」とお互いを称えあえる日が早く来ますように。