手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

ユダヤ人のお爺ちゃん、息子と初対面?

さぁ、拙ブログをたまたま訪ねて下さった皆様のため、ちょっと笑えるロシアのアネクドート(小笑い話)…。はい、ちょっと偏見とか人種差別とか、政治批判とか癖のあるネタが多いのがロシアのアネクドートの特徴ですが、これはユダヤ人の方が教えてくれた話です。おかしい物はおかしいと認められる、おおらかさと自由な心に乾杯!

 

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ある日の昼下がり、モスクワのとあるバス停。若者一人とお爺ちゃんがバスを待っています。

 

若者はちょっと飛んだいで立ち。刈り上げた髪の右半分は緑で左半分は青く染めています。そして少し長めに残した頭上の髪は赤。服装も黄色を基調にしたちょっと派手めのコーデ。ちょっと背中の曲がったお爺ちゃん、さっきからずっとこの青年を見つめています。そして意識してるのかどうなのか、少しずつ青年に近づいてきています。

 

最初は、どうせちょっとの時間だからと、お爺ちゃん熱い視線が気になりながらも、気づかない振りをしていた青年。でもバスはいつもの如く遅れて、もうかれこれ20分以上もお爺ちゃんに目を逸らす事なく見つめられ、青年はどうにも我慢できなくなりお爺ちゃんに尋ねました。

「あの~ぅ、何でさっきから僕の事そんなにじっと見てるんですか?」

派手ないで立ちの割には、とても丁寧で感じのいい話し方。

 

お爺ちゃんは、話しかけられたのが余程嬉しかったのか、目はキラキラと、うっすら涙までためている様です。

「いや、申し訳ない…。実は若い頃、大好きなオウムがいてねぇ…。あの頃が一番幸せだったんだけどね。大好きなあの子と仲良く暮らしてねぇ。それが、ある日突然、わしにはな~んも言わんで、プイっとおらんようになってしもうてな…。」

お爺ちゃん、辛そうに俯くと、ポケットからハンカチを出して、鼻水をチーンとひとかみしました。

青年は話がどこへいくのか見えず、困惑顔。

お爺ちゃん、ハンカチを畳んでポケットにしまうと、背の高い青年を見上げました。

ちょっと照れ臭そうに笑いながら続けます。

「で、さっき、お前さんを見て、あの子の事を思い出したんだ。見れば見るほど、なんちゅうんか…色合いもよく似とるし…。もしかして、お前さん、わしの息子じゃないかと思ってな。」

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