手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

半引きこもり生活、脱出(急なつむじ風到来)

さて、前回の更新から1カ月以上も経ってしまいましたが、とにかくバタバタと忙しく精神的にも体力的にも一杯一杯で、目まぐるしく展開する日々にゆっくり思いを巡らしながら日記を書く時間というか、気持ちの余裕がありませんでした。

ただ、おフランスにはありがたい事に、学校(+児童のための課外授業)には1カ月半毎に2週間のお休みがあります。そして今年の秋休みは今週末から‼

ここでしっかり休養して次の1カ月半を乗り切るための準備を進め、充電満タンにしなければなりません(まぁ、満タンにしたはずの充電は3日と持たずに切れてしまいますが…。)

さぁ、前回の記事では9月初旬の体験クラスの事をお話ししましたが、それ以降の経過です。あれから、ほどなく開講する予定だったクラスには予想通り最低人数は集まらず、立地条件が良かった街中の学習塾での開講は断念せざるを得ませんでした。

じゃ、何がそんなに忙しかったのかって?まぁ、聞いてください。

開講は断念したものの、受講したいと言って下さった方々の中にはクラスを本当に楽しみにしてくれていた子供達がいたんです。心待ちにしてくれる子供達がいるのが分かっているに、期待を裏切るのは心苦しく、最終手段として友人の自宅で子供達を集めて教室を始める事にしました。元々の目的が、「日本語や日本文化に興味のある若者に学びの場を提供する」事だったので、せっかく巡り合えた子供達の日本語を勉強したいという思いを応援しかったわけです。ちなみにこの教室からの私の収入はゼロ。でも娘が無料参加しており、向学心に燃え始める兆候を、かすかながらも(?)見せているので良しとします。

最初は2人から始まった教室も一人増えて今は3人。小さなグループですが、和気あいあいと楽しく授業しています。

そして、去年から教え始めた土曜の日本語クラス。こちらはと言えば、去年と同様1コマ、1時間での~んびりいきましょう、と思いきや、初級の生徒がドンドン増えて今じゃ定員オーバーの10名。そして問い合わせは今も絶える事なく、現在4人の幼児に小学生が2人、新しいクラスの開講を待っている状況です。現在は2時間半教えていますが、休み明けには+1時間になる勢いです。

問い合わせが増え始めたのは9月下旬にあるイベントに参加してからです。

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このイベントはFestival des Langues et des culturesと呼ばれ、地元で活動する外国人を招待して異文化と外国語を紹介してもらうという趣旨で年一回開催されています。とは言っても、日本ブースは私たちが初めて。アーティストの友人と二人で折り紙とマンガ風イラストを描く体験をしてもらおうと設置しましたが、あまりの盛況ぶりで、日本の文化や言語を紹介する余裕は全くありませんでした…。丸1日、次から次へとやって来る子供達と大人連を相手にピカチュウ折ったり鶴を折ったりと慌ただしく過ごしての感想は「いやぁ、マジつかれた…」で、手応えがあったかも分からない状態でした。

 

しかし考えてみると、私の連絡先を広告に載せたのは、ここで配布した数枚の登録用紙のみ。

立ち上げたウェブサイトの閲覧状況は…今も殆どゼロです。だって、グーグルのキーワード検索に引っかからないんですから。

フェースブックのページもイベントの告知以降、忙しくて更新していませんし。

とすると、あのイベントの効果があったという事でしょうか??全く実感がなく、半信半疑ではありますが、とにかく今も毎日のように日本語を勉強したいという子供達の親御さんとメールのやり取りをしています。ほんの簡単な情報案内的メールですが、フランス語が下手くそなので、とにかくメールを書くのにやたらと時間がかかるんです。

フランス人はとにかく直接話をするのが一番手っ取り早いと思っている様で、電話もかかってきます。外国語での電話対応は相手の表情や身振り手振りのヒント無しでの会話なので、語彙力にも文法力にも欠ける初中級程度のフランス語での意思疎通は困難を極めてます…。とにかく「メールで情報送るんでメルアドお願いします」と伝えるのが精いっぱいで、いつも心臓はバクバク、体中に冷や汗かきかきの状態です。逆に、こんなしどろもどろなフランス語しか話せない先生で親御さんよく不安にならないな、と感心します。本当。

ただ、問い合わせが増えて嬉しい反面、葛藤もあります。自分の体力と精神力、そして家族のための時間を考慮すると、どこかで「これ以上は無理です」と言わなければなりません。でも、私がNOと言えば、子供達は日本語の勉強を諦めざるを得ません。だいたい純フランス人のちびっこ向けの日本語教室なんて、パリでさえ見つかるかどうか分かりませんし、もし見つかったとしても小学生の子どもがパリへ通うのは親の付き添いなど難題が多いものです。さぁ、私一人でどこまで対応できるのか…どこで線を引くのか、問題です。

“Remember, no effort that we make to attain something beautiful is ever lost.”
「覚えておいて下さい。何か素敵な事を成し遂げるために私たちがする努力が、無駄に消えてしまう事は決してありません。」― Helen Keller