手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

半引きこもり生活脱出記念(4) ~好循環を止めないための努力(と娘)~

もともと出不精な私。

 

でも、今回、半引きこもり生活を脱出すべく活動を開始した結果、少しずつですが人との繋がりが広がり、外出する機会が増え始めました。

活動を開始するきっかけになったのが11月中旬。そして徐々に動き始めたのが12月後半。それまでは、買い物と子供達の学校や病院への送り迎え以外、出掛ける事など皆無に等しかった私が、週に1度は打ち合わせや準備のため外出するようになり、その都度新しい刺激を受けてアイディアが湧き、やりたい事がまた一つ増えて、カレンダーが色づいていく様子が新鮮でストレスは多少あるものの嬉しい毎日でした。(かなり増えた抜け毛の量が武勲の証…?)

 

しかし、ここへきて、難関がやってきました。

 

活動を通して知り合ったアーティストの方が参加する展示会に招待されたのです!あくまで趣味の範囲ですが、アートに興味がある私は、以前「展示会などあれば、知らせて下さい」とお願いしていたのを覚えていて下さって、招待状を頂いたのです。ですが、その展示会会場は…

まさかのパリ

 

この田舎へ越してきて2年半、一人でパリに行ったのは…、たったの1回…。

 

そう。出不精の私にはパリは遠い別世界…。

 

頂いた招待状を手に、

「行きたいけどな…。

 はぁ~、…でも、遠いよな。

 …寒いしな。…それに最近物騒だし。」

 

このウダウダを、展示会が始まるまでの10日間、来る日も来る日も、延々と心の中で繰り返しては、天気予報を2度、3度とチェックしてました。

 

そして展示会も残すところあと3日間となった日。これまでずっと曇りや雨が続いていたのに、突如として「明日、午後☀。最高気温11度」…!

2月中旬。こちらでは、晴れて日中10度以上なんて、珍しいんです。

 

『さぁ!どうするんだ!これでも行かないのか?』

…ドスのきいた声が何処からか聞こえるよう。

 

怖い自分に脅されながら、半ベソで恐る恐る、パリの地下鉄マップを取り出し、会場までのルートを見てみる事に。

 

…すると、最寄りの駅からパリへ行く電車の終点、Gare de Lyonから何と地下鉄一本で行けちゃう場所。それも、駅から徒歩2分って!

 

『オイっ、どうするんだよ!これでも行かない理由があるってのかぁ?』

あぁ~、なんだか脅しに凄みが増して、不気味に冷たい金属で頬っぺたペタペタされてる気が…。(ひぇ~っ。イヤな汗が…)

 

重いため息を一つついて、『パリに一人で行くのか…』とほぼ観念して、憂鬱さを湛えた目でグーグルマップを眺めていると、会場のすぐ側に科学博物館が…

 

(!!!)

 

子供達にとっては冬休み最後の週末でした。(おフランスでは約6週間毎に2週間のバカンスがあります。)

 

『もしかして、○○が(←娘)一緒に来てくれるかも!?』

ムクムク…  ちょっと勇気が湧いてきました。(←そう。自分のためには動けなくても娘のためになら、ちょっとは無理がきくというもの。これが親心というものかぁ。)

 

そこで、ホームページで入念に調べて確信を得た私は、何気な~く娘に

「ねぇ~、明日晴れたら、ママと一緒にパリに行く?」

 

しかし、親同様、お家大好きっ子の彼女は案の定あまり興味を示さず、絵を描く手を止めもせず、

「うん?パリぃ?…何しに行くのぉ?」(←すぐにイヤとは言わず、一応聞いてくれる所が好き。)

 

フフッ。でも、母は知っているのだ。娘が色々手に触れて体験できる系の博物館に目がない事を。

 

「あのね、ママが行こうと思ってる展示会の隣に科学博物館があるのよ(←さっき見つけたばかりなのに、知ったかぶり)。東京で行った科学博物館覚えてる?あんな感じよ(←行った事はないし、東京程ではない事もホームページで知っていたが、背に腹は代えられぬ!母には勇気が必要なのよぉ~)それにプラネタリウムもあるみたいよ。」

 

娘の目が輝きました。(←それを見た私の目も輝き、見つめ合う二人。何と美しい母娘像!)

 

「え~っ!私も行くぅ~!!」(←ヤリマシターッ!)

 

自分の弱さにはちょっとゲンナリしながらも、母の強さを発揮させてくれる娘に感謝しながら、翌日、二人でパリへ~!

 

結果、博物館で5時間、展示会で1時間半と、ちょっと、くたびれましたが、盛沢山で充実した一日でした!

 

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グラン・パレの広い展示場に所狭しと並べられた絵画、版画、彫刻、ドレスに至るまで、とにかく個性のある様々な作品が集められていました。

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訪れるお客さんも、小さな子供からお年寄りまで、大盛況。

普段は美術館など、退屈がってあまり興味を示さない娘も、科学博物館で走り回った後にも関わらず、興奮してあーでもない、こーでもないと一つ一つに感想を言って回っていました。

 

やはり、由緒ある美術館は貴重な美術品を展示してあるので、これだけ近い距離で自由なアートに触れる事ってできませんもんね。

 

言ってみれば、ルーブルやオルセーなどは、アーティストや時代背景、作品のテーマなどに思いを馳せながら、作品を静かに深く鑑賞する空間で、どちらかと言うとクラシック音楽的な場所。それに比べ、こういった現在活動するアーティストの作品を集めた展示会は作品に込められた情熱を生き生きと感じ、自身の創造力が刺激され、エネルギーを貰える、ポップスやジャズ的な場所といった感じでしょうか。

 

とにかく、老若男女問わず、人の心を動かし、刺激する。これこそアートの神髄ですね!

 

これも、娘のお陰で、出掛ける事ができた産物。

自分にも少し自信がつきました。

 

展示会に出展されていた知り合いのアーティストの方の作品については、別のエントリーで詳しく紹介したいと思います。