手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

バンクシー??

新作が見つかる度に話題をさらう覆面画家バンクシー

メッセージ性が強い物から、イタズラ心溢れる物まで、落書きのレベルを完全に超えた世界中に多くのファンをもつアーティストですよね。

 

先日、春を感じさせるいいお天気の中、プラプラ歩いていると歩道脇の壁に見つけたこの落書き。「いいねぇ、バンクシーっぽい!!」と思わず写真に収めました。

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世界のどこかで、自分とは全く接点の無い誰かをワクワクさせたりドキドキさせたり、やっぱりアートの力はすごい。有名なギャラリーなどで高価に売買される作品や、美術館で大切に展示保管されている傑作とされる作品もいいですが、風雨にさらされて放っておけば自然と消えてしまい、道行く人が触っても、上から落書きを足されても、オーナーが怒って翌日には白塗りで消されてしまっても全然平気という、無防備で執着心も無い分、何にも縛られない自由な創作には批評家やパトロンの意見に左右されない、アーティストの気持ちがストレートに表現されているようで、とても素敵。もちろん、みんな生活していかなければいけないので、億万長者でもない限りバンクシーさんも稼ぐための仕事をしている事と思います。でも、これからも落書きアートを続けてほしい!っ誰が何と言おうと「好きな自分でいる事がカッコイイ」のお手本だから。

 

昨日、娘がネットで見つけた性格診断の質問表から私に聞いてきた質問。

「あなたは、今、夢に見てきた憧れの仕事をしていますか?」

日本語を教える事は、大変ですが、好きです。フランスという異国の地で、教える事が出来ている事はとても幸せです。

でも、それが「憧れの仕事」か、と言われると、即答できませんでした。

 …私の憧れは演劇。でも、演劇が仕事になると考えた事はありませんでした。憧れを仕事に…?今からでも、できる事はあるだろうか…

踏んだり蹴ったり

昨年末あたりから悪運続きです。

12月、息子の高校の先生と面談があったため、よく駐車しているフォンテーヌブローの森のハイキングコース入口脇に車を停めました。1時間後、車に戻ってみると、何と運転席側の窓ガラスが割られて、座席には砕けたガラスが散乱しているではありませんか!周りは他にも多くの車が駐車されているのに、被害を受けたのはうちの車だけ。車内には貴重品など何もなかったため、幸い盗まれた物はありませんでしたが、下手くそなフランス語での警察への被害届や保険会社への連絡、修理などは時間もかかり大変でした…。

そして新年を迎えて数日後、突然の停電に見舞われました。

外を見ると、ご近所さんの窓にも、街灯にも電気はついているので、問題は我が家にあり。分かる範囲で色々調べてみたものの、原因不明で、その日は寒いのを我慢して就寝。翌日電気屋さんにみてもらったところ、ブレーカー上部の配線部の部品が全部焦げて溶けてしまっていた事が判明。「いやぁ、火事にならなくって良かったねぇ。危ないとこだったよ」と言われました。でも必要な部品の在庫が無いとの事で、修理は翌日へ。「停電だけですんで、良かった~」とは思ったものの、真冬で外は氷点下。我が家はオール電化なので、暖房無し、暖かい食べ物も飲み物も無し。あ~電気無しの生活の不便さよと心で嘆いていると、ここで息子が一言。「エジソンは偉い人だったんだね。尊敬するよ。」ちびまる子ちゃんの歌にありましたねぇ、そんな歌詞。それでも、翌日、電気屋さんはちゃんと時間通りに来てくれて、修理も無事完了。

そして、暖かい家のある幸せをかみしめていたその週末、今度は地下の配管からぽたぽたと水漏れ。

見に来てもらった配管工の方は、詰まりが原因だと思われるが、通常はあちこちにあるはずの点検兼掃除口がなく、どこが詰まっているのか分からないとの事。本来であれば、ジェット洗浄で全部綺麗にしたいところだが、配管が古く、ジェットの勢いに配管が耐えられない可能性があるのでそれは無理との事…。仕方がないので、排水口に薬品を流し込んで、詰まりが解消される事を祈りましょうと言われる始末…。結果、幸い水漏れは止まり、今後の心配はあるものの、一難去ったと一安心。

何だか、新年早々、色々あるなぁ、と不審に思い始めた矢先の1月末、主人が病院帰りの運転中に、突然タイヤが破裂。そのせいで、右前方の車体が地面を強く打ちつけ、大きく破損。こちらは保険会社に連絡したものの自己負担の修理費用が嵩むため、すぐには修理できず、現在も放置中。これで我が家の車は一台のみに。

そして、2月。インフルエンザにかかり、私と子供達はつらい2週間を過ごしました。

 

これで数年分の不運は使いきったか、と気持ちを前向きにかじ取りしようとしていた先週の木曜日、歩行者が横断歩道を渡るのを待って一時停車していた所、ガツンッ!…追突されました。加害者の青年は頭を抱え、「今日修理終わったばかりなのに…」とその場でかがみ込んでしまいました。私も不運続きだけど、君もそうだったんだね、と何だか同情してしまいました。

みなさん、負のエネルギーって、磁石と違って、しりぞけ合わないで引き付け合うようです。

でも、トラブルがある毎に必ず親切な方が助けてくれるのも事実です。私の場合はご近所のおばあちゃまが強い味方。そして、インド人の青年は、3週間前に事故を起こした時の被害者のフランス人の男性がお友達になり、今回の事故後の手続きも手伝ってくれました。私も彼も外国人。こういう時、色々知っているフランス人が親身になってくれると、ありがたい事この上ありません。

外国で生活していると、自分が弱者である事を日々思い知らされます。でも、何処に住んでいても一人で生きていける人はいませんよね。困った時はお互い様。助け合いの心を忘れずに毎日大切に暮らしていけば、自分がトラブルに巻き込まれた時には助けてくれる人が必ず現れるという事でしょうか。

そう、「情けは人の為ならず」です。

自分が健康で、日々の暮らしにも困っていない、余裕のある時にこそ、周りに気を配りたいものです。全ての困難は他人事と思って暮らしていると、自分が困った時の周囲の態度は以前の自分を鏡に映すように「他人事」になってしまうのではないかと思います。

私はフランス語も下手ですし、ここでは誰かの役に立てる事は殆どありません。それでも、ご近所さん、知り合い、お友達に困っているような人がいたら、まずは声をかけてあげたい。「Ça va?ー大丈夫?」

 

それにしても、負のエネルギーが負のエネルギーを引き付ける時、掛け算でプラスになってくれるんでしょうか?案外足し算でもっと-側に引っ張られるんだったりして…。ひゃ~!

 

とにかく悪い事ばかりがそうそう続く事はないと信じて今日も頑張るしかないですな。

 

Good luck has its storms.

幸運には嵐がつきものさ。  ーGeorge Lucasf:id:yamatopiece:20190303213043j:image

よい気を運んでおくれ~。玄関先に小さい蘭の鉢植え飾りました。

インフルエンザ

しばらく、病気らしい病気はしていませんでした。

頭痛や腹痛などは時々あって、貧血からくる倦怠感などもありはしますが、家族全員が風邪で寝込んでしまう事態が発生しても、なぜか私には移りません。

バカは風邪ひかないといいますが、それよりも、「美人薄命」という、美しさ特有の儚さや繊細さに欠けているのが思い知らされるようで、曲がりなりにも女性として生まれてきたのに「きれい」には程遠い自分がちょっと可哀想でした。

でも、今冬、なんと十数年ぶり位にインフルエンザにかかりました。

発症から、2日間食事も喉を通らず、唯一口にできたのはミカンとお茶。お買い得みかんが、あんなに美味しいとは!

節々がきしみ、寝返りするのさえもアチコチが痛く、知らず知らずの内にう~っ、う~っと苦し気な声が漏れていたようで、家族には心配かけました。それでも、4日目、ようやく熱が37度台まで下がり、これで無事回復か、と思いきや、今度は咳が出始め、熱とはまた違う苦しみが…。咳は体力消耗します。

とにかく家族に移さないように、出来る限り自らを寝室に隔離していましたが、そうそう寝てばっかりもいられません。だって、何か食べなくては治るものも治りません…。おかゆさんが食べたい…。でも、フランスの田舎町ではそんなもの手に入りません。主人はと言えば、幸か不幸かちゃんとした料理をした事がなくここまできたので、作れるものは目玉焼きかゆで卵。パンに物をはさむ位はできますが、病み上がり、サンドイッチを食べる気にもならず。

という訳で食べたければ自分で作るしかないんです。これが、また辛い。十分に食べられていなかった上、咳のせいで体力も奪われ、微熱もある状態ではフラフラして立っていられないんですから。簡単な物を作るために15分キッチンにいる間もタオルを片手に(フランスではマスクの習慣はなく、なかなか見つかりません)、子供たちには半径2m以内に近づかいないように気を付けていましたが、ウイルスは目に見えません。そしていつ何が感染源になったのか、私が発症してから3日後、息子が熱を出し、それから2日後、娘が熱を出し、家庭でもインフルエンザ菌が蔓延するはめに…。

おとなしく、寝ておけばよかった、と後悔するも、後の祭りです。

おかげで、我が家は約2週間、機能不全に陥りました。これで、主人の誕生日のお祝いも満足にできず、可哀想な事をしました。

 

これで分かりました。

バカでもいい。ブスでもいい。健康第一です。

 

日本はインフルエンザのピークは過ぎたと聞きました。

でも、まだまだ寒さが厳しい如月。

皆さんも暖かくして、健康にはくれぐれもお気を付け下さいませ。f:id:yamatopiece:20190212180150j:image

新年の抱負

さて、2019年1月も終盤に差し掛かっていますが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

遅ればせながら、この1年を有意義に過ごすために、目標と願いなどを掲げてみようかなと思う次第です。

 

一つ、ダイエット。何ともお恥ずかしい話ですが、現在、わたくし、標準体重を12キロほどオーバーしております。はい、まごう事なき肥満体形。生まれてこの方、痩せていた事はありません。長男を生んで授乳期は標準体重をキープしていましたが、それが一番軽かった時です。なので、最初の目標は標準体重+5キロ。肥満からちょっと触ってみたくなるポッチャリ型へと変身すべく、つい先日スマホにMy Fitness Palというアプリも入れました。

www.myfitnesspal.com

アプリのアドバイスに従ってスクワットやらランジ、それに腕立て伏せまで始めました。「どんな年齢層でも、運動する習慣のない人にでも簡単にできる筋力増強エクササイズ」との事でしたが、やってみるとかなり厳しい…。45歳にもなって、今更、見てくれをどうこうしたいという訳ではありません。目指すところは、疲れを知らない元気溌溂なおばちゃんです。とにかく家族のためにも老け一直線ではいけません。冒険家の三浦雄一郎さんも御年86歳で南米最高峰「アコンカグア」を目指していらっしゃいます。私にできない訳がありません。頑張ります。

www3.nhk.or.jp

 

一つ、フランス語の上達。何ともお恥ずかしい話ですが、フランスに来てそろそろ5年にもなるというのに、私のフランス語はやっと中級に引っかかる位の域を脱することができません。聴解力は少~し伸びているかな、とは思いますが、会話力の方はまだまだで、ちょっと長く話すと、すぐにしどろもどろになってしまいます。あー、もどかしい。あー、情けない。今年こそは暇な時間がある時はネットで動画など見てばかりいないで、コツコツとフランス語上級を目指して頑張ります。

 

一つ、家族全員で日本への一時帰国を果たすための節約。息子が去年から私立の高校に入学し、家計が一気にカツカツになりました。こちらは納税次期が秋なんですが、新学年開始時期と重なるため、授業料と税金を合わせるとかなりの額になります。1年かけてチビチビ貯めていたお金はスッカラカンになり、年末年始の出費と重なって、新年初月の今、主人の給料日を前にして、またもや0が見え始めています…。もう少し上手にヤリクリして、来年の今頃は口座と睨めっこする時間が減って、日本への航空券予約サイトをワクワク検索できてますように。

 

一つ、家族での外出を増やす。基本、動くのは好きではありません。積もる家事に目をつむり、罪悪感を少し抱きながらダラダラしているのが好きなのです。でも、身体は動くためにできている、といいます。動かないと色々な所でひずみがでてくるそうです。これは運動不足による肥満や、筋力、心配能力の衰えだけに留まらず、精神にも悪影響があるというのですから恐ろしい。四十路も半ば、新陳代謝機能も衰えてきている今日この頃、老化だけでは説明できない不気味な不調感があります。目的のない外出はできるだけ避けてきました。が、今年は家族で楽しめるイベントを探したり、日帰りで行った事のない街へ散歩にでかけたりしたいと思います。あまり期待しすぎて頂くのも何ですが、ゆる~く見守って下さい。私のブログもちょっとは魅力的になるかもしれません。

 

そして最後は、願いです。現在15歳の息子は進行性脊髄性筋萎縮症を患っています。現在唯一治療薬として認可されているのはSpinrazaです。わが息子はこの新薬が承認された当初(2016年12月)は、それほど衰えが気にならなかった事もあり、脊髄注射は絶対嫌だと言っていました。ただ、病気はゆっくりですが確実に進行しています。今では段々一人で出来る事も少なくなってきており、その分介助する私の体力的負担も増えてきています。去年の夏、まだ臨床実験段階の新薬の治験に参加しようと検査を色々受けましたが、残念ながら参加資格は得られませんでした。そして11月、息子は自分からお医者さんに治療を受けたいと話しました。お医者さんの話では治療開始まで、それほど時間はかからないだろう、との事でしたが、まだ連絡はありません。治療にかかる費用は膨大で、どこの国でも保険会社からゴーサインが出るのを待っている患者さんが大勢いらっしゃいます。そして優先となるのは当然重い症状を抱える患者さんです。幸い息子は、3型と言われる同じ病気でも症状が軽いタイプなので、命の危険はありません。

今できる事は、毎日を大切にしながら、笑いを絶やさず、希望を失わず、根気よく待つのみです。そして、世界中で色々な病気と果敢に闘っていらっしゃる皆さんの事を思い、私も出来る限り息子を支えていきたいと思います。

 

“In the long run, you hit only what you aim for.” 

長い目で見ると、人は狙ったものしか打てないものさ。
― Henry David Thoreau

 

皆さんも、何か狙いを定めてみませんか?

今日も皆さんにとって、いい日でありますように。

Bonne journée à tous!f:id:yamatopiece:20190121200925j:image

 

半引きこもり生活、脱出 (ようやくリズムが掴めてきたような…?)

今年も早、終わりに近づいてきましたが、皆さんの一年はいかがでしたか?

 

365日もあると、浮いたり沈んだり、老若男女、誰であれ、毎日が平穏というのは不可能ですよね。楽しい日もあれば、辛い日もある。脳天気な私にでさえ「さぁ、明日も頑張るぞ」と思える日もあれば、「明日までもつのか…」と不安になる日もあります。

 

それでも、今年も何とかここまで生きてきた自分を褒めてあげたいと思います。

傍から見れば、バタバタと要領悪く駆けずり回っているように見えてもです。

 

今年の夏休み前から少しずつ準備を始めていたものの、ウェブサイトを立ち上げた以外の実際の始動は9月以降。チラシを配ったり、体験クラスを開催したり、お祭りに参加したりとつむじ風に巻き上げられるように一気に忙しくなりました。

先ほど「傍から見れば」と言いましたが、実のところ自分でも、自分が息を切らしながら走っている道がどこへ続くのかもよく分からないまま、ただ闇雲に目の前の事に集中して活動を続けてきて現在に至ります。

 

それでも生徒数は子供から大人まで計18人まで増え、4クラス教えるところまできました。 もちろん18人という数は多いとは言えません。学校だと一クラス少なくとも20人はいますもんね。

でも、私の場合、昨年の10月にクラスを引き継いだ時は初中級1クラス、4人でした。なので、スタート地点と比べると4倍以上の人に日本語を学ぶ機会を提供できている事になります!そう、何事も小さな一歩からです。そして、これからも、少しずつ歩を進めながら、ささやかな前進を喜んでいきたいと思います。

 

生徒の皆さんは、それぞれが日本と日本文化、日本語に興味を持っている人達なので、「打てば響く」という感覚が、教える喜び、楽しさを倍増させてくれています。

フランス語が下手なせいで、最初は1時間の授業のために少なくとも3時間はかけていたクラスの準備も、生徒さんの理解のペースが徐々に把握できてきて、授業を進めるスピードが安定してきたせいか、何をどれだけ準備すればよいか大体予想できるようになったので随分効率があがりました。(それでも頂いている時給を準備時間も併せて計算し直すと未だ最低賃金下回ってますが…。そう、いつの世も先生の仕事は好きじゃないと続けられないものなのです。)

 

そして、先週末の土曜日、Avonの町からのお誘いでクリスマスフェアに参加し、友人と友人のご主人と一緒に無料アトリエ教室を開いてきました。午後だけのアトリエでしたが、私は折り紙担当で、ちびっこから大人の方までを対象に休みなしで3時間、クリスマスに因んで星とサンタさんのキャンディー入れの作り方を紹介してきました。もちろんボランティアですが、このイベントの後は2週間のお休みが待っていたので張り切ってきました!

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子供達はちょっと風邪を引いていて、まだ思い切り休暇を楽しめる状態ではありませんが、時間に追われないというだけで、気持ちがとっても楽になり、心なしか夜もゆっくり休めている感じがします。クリスマスも無事終わり、子供達もプレゼント喜んでいたので花丸としましょう。

 

晦日前には、ぐうたらな性分に鞭打って、すこし丁寧に掃除をして気持ちのよく新年を迎えられればいいなぁと思っています。

 

皆々さまもどうか良いお年を~。

 

If a man does not keep pace with his companions, perhaps it is because he hears a different drummer. Let him step to the music which he hears, however measured or far away.  -Henry David Thoreau

周りのみんなと足並みを揃えない人がいたら、彼には、みんなとは違うビートが聞こえているのかもしれない。そんな時は、彼に聞こえている音楽のリズムで歩かせてあげてほしい。それがどんなリズムでも。  ーヘンリー・デービッド・ソロー 

半引きこもり生活、脱出(急なつむじ風到来)

さて、前回の更新から1カ月以上も経ってしまいましたが、とにかくバタバタと忙しく精神的にも体力的にも一杯一杯で、目まぐるしく展開する日々にゆっくり思いを巡らしながら日記を書く時間というか、気持ちの余裕がありませんでした。

ただ、おフランスにはありがたい事に、学校(+児童のための課外授業)には1カ月半毎に2週間のお休みがあります。そして今年の秋休みは今週末から‼

ここでしっかり休養して次の1カ月半を乗り切るための準備を進め、充電満タンにしなければなりません(まぁ、満タンにしたはずの充電は3日と持たずに切れてしまいますが…。)

さぁ、前回の記事では9月初旬の体験クラスの事をお話ししましたが、それ以降の経過です。あれから、ほどなく開講する予定だったクラスには予想通り最低人数は集まらず、立地条件が良かった街中の学習塾での開講は断念せざるを得ませんでした。

じゃ、何がそんなに忙しかったのかって?まぁ、聞いてください。

開講は断念したものの、受講したいと言って下さった方々の中にはクラスを本当に楽しみにしてくれていた子供達がいたんです。心待ちにしてくれる子供達がいるのが分かっているに、期待を裏切るのは心苦しく、最終手段として友人の自宅で子供達を集めて教室を始める事にしました。元々の目的が、「日本語や日本文化に興味のある若者に学びの場を提供する」事だったので、せっかく巡り合えた子供達の日本語を勉強したいという思いを応援しかったわけです。ちなみにこの教室からの私の収入はゼロ。でも娘が無料参加しており、向学心に燃え始める兆候を、かすかながらも(?)見せているので良しとします。

最初は2人から始まった教室も一人増えて今は3人。小さなグループですが、和気あいあいと楽しく授業しています。

そして、去年から教え始めた土曜の日本語クラス。こちらはと言えば、去年と同様1コマ、1時間での~んびりいきましょう、と思いきや、初級の生徒がドンドン増えて今じゃ定員オーバーの10名。そして問い合わせは今も絶える事なく、現在4人の幼児に小学生が2人、新しいクラスの開講を待っている状況です。現在は2時間半教えていますが、休み明けには+1時間になる勢いです。

問い合わせが増え始めたのは9月下旬にあるイベントに参加してからです。

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このイベントはFestival des Langues et des culturesと呼ばれ、地元で活動する外国人を招待して異文化と外国語を紹介してもらうという趣旨で年一回開催されています。とは言っても、日本ブースは私たちが初めて。アーティストの友人と二人で折り紙とマンガ風イラストを描く体験をしてもらおうと設置しましたが、あまりの盛況ぶりで、日本の文化や言語を紹介する余裕は全くありませんでした…。丸1日、次から次へとやって来る子供達と大人連を相手にピカチュウ折ったり鶴を折ったりと慌ただしく過ごしての感想は「いやぁ、マジつかれた…」で、手応えがあったかも分からない状態でした。

 

しかし考えてみると、私の連絡先を広告に載せたのは、ここで配布した数枚の登録用紙のみ。

立ち上げたウェブサイトの閲覧状況は…今も殆どゼロです。だって、グーグルのキーワード検索に引っかからないんですから。

フェースブックのページもイベントの告知以降、忙しくて更新していませんし。

とすると、あのイベントの効果があったという事でしょうか??全く実感がなく、半信半疑ではありますが、とにかく今も毎日のように日本語を勉強したいという子供達の親御さんとメールのやり取りをしています。ほんの簡単な情報案内的メールですが、フランス語が下手くそなので、とにかくメールを書くのにやたらと時間がかかるんです。

フランス人はとにかく直接話をするのが一番手っ取り早いと思っている様で、電話もかかってきます。外国語での電話対応は相手の表情や身振り手振りのヒント無しでの会話なので、語彙力にも文法力にも欠ける初中級程度のフランス語での意思疎通は困難を極めてます…。とにかく「メールで情報送るんでメルアドお願いします」と伝えるのが精いっぱいで、いつも心臓はバクバク、体中に冷や汗かきかきの状態です。逆に、こんなしどろもどろなフランス語しか話せない先生で親御さんよく不安にならないな、と感心します。本当。

ただ、問い合わせが増えて嬉しい反面、葛藤もあります。自分の体力と精神力、そして家族のための時間を考慮すると、どこかで「これ以上は無理です」と言わなければなりません。でも、私がNOと言えば、子供達は日本語の勉強を諦めざるを得ません。だいたい純フランス人のちびっこ向けの日本語教室なんて、パリでさえ見つかるかどうか分かりませんし、もし見つかったとしても小学生の子どもがパリへ通うのは親の付き添いなど難題が多いものです。さぁ、私一人でどこまで対応できるのか…どこで線を引くのか、問題です。

“Remember, no effort that we make to attain something beautiful is ever lost.”
「覚えておいて下さい。何か素敵な事を成し遂げるために私たちがする努力が、無駄に消えてしまう事は決してありません。」― Helen Keller

半引きこもり生活、脱出(姉ちゃん、そりゃ~、あんた、考えが甘いよ。)

日本語や日本文化に興味のある子供たちや若者たちに学びと体験の場を提供したいと思い、友人のアーティストの方を巻き込んで、教室を開く事にしたわけですが、告知の難しさに四苦八苦しています。

見よう見まねでウェブサイトは立ち上げてみたものの、グーグルでは、設定したキーワードで検索しても、全く引っかからず、チラシも誰かの目に留まるように、と祈りながら、小さな本屋さんや町の図書館などに置かせてもらうのみで、何だか、運だけを頼りにしているような心もとなさ。(こっちには願懸けできる神社もないし。)

この土日で体験クラスや生徒さん集めのイベントにも参加させてもらいましたが、やはり興味のある人にドンピシャで巡り合えるのって、そうそうある事じゃないんだなぁ、と痛感。出会いは奇跡。宝物です。

それでも、「どこそこでチラシを見てね~」と言って来て下さった方も数名いらして、案外ど素人のウェブサイトなどより、地道に足を使って宣伝するのが効果的なのかも、と思ったりもします。

当初、教室の場所が学校の近くという事もあり、対象は小中高生を考えていましたが、イベントを訪れて下さった方の半数は中高年のマダム。これは、クラスの内容を練り直す必要がありそうです。時間が足りない。

初めての挑戦。最低4人集まらないと採算が取れないため、クラスは開けません。「な~んだ、たった4人で採算とれちゃうの~?」と思ったそこの方、全くのコネなしで3クラスx4人に授業料を払って来てもらうのは大変な事なんです(私だから、というのが大きいかもしれませんが…)!

たんまり、お金儲けができる仕事じゃない事は重々承知していますが、お友達を巻き込んでいる以上、赤字では続けられませんし、お互い家計に負担も掛けられません。そう、現実は甘くないのです。

そして、開講予定日は何と来週にまで迫っています。さて、今週末までに、どれだけの生徒さんが集まるか…。あと一週間、もう少しあがいてみます。