手持ち無沙汰な時、温かいお茶のお供にでもして頂ければ、うれしいです。

新年の抱負

さて、2019年1月も終盤に差し掛かっていますが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

遅ればせながら、この1年を有意義に過ごすために、目標と願いなどを掲げてみようかなと思う次第です。

 

一つ、ダイエット。何ともお恥ずかしい話ですが、現在、わたくし、標準体重を12キロほどオーバーしております。はい、まごう事なき肥満体形。生まれてこの方、痩せていた事はありません。長男を生んで授乳期は標準体重をキープしていましたが、それが一番軽かった時です。なので、最初の目標は標準体重+5キロ。肥満からちょっと触ってみたくなるポッチャリ型へと変身すべく、つい先日スマホにMy Fitness Palというアプリも入れました。

www.myfitnesspal.com

アプリのアドバイスに従ってスクワットやらランジ、それに腕立て伏せまで始めました。「どんな年齢層でも、運動する習慣のない人にでも簡単にできる筋力増強エクササイズ」との事でしたが、やってみるとかなり厳しい…。45歳にもなって、今更、見てくれをどうこうしたいという訳ではありません。目指すところは、疲れを知らない元気溌溂なおばちゃんです。とにかく家族のためにも老け一直線ではいけません。冒険家の三浦雄一郎さんも御年86歳で南米最高峰「アコンカグア」を目指していらっしゃいます。私にできない訳がありません。頑張ります。

www3.nhk.or.jp

 

一つ、フランス語の上達。何ともお恥ずかしい話ですが、フランスに来てそろそろ5年にもなるというのに、私のフランス語はやっと中級に引っかかる位の域を脱することができません。聴解力は少~し伸びているかな、とは思いますが、会話力の方はまだまだで、ちょっと長く話すと、すぐにしどろもどろになってしまいます。あー、もどかしい。あー、情けない。今年こそは暇な時間がある時はネットで動画など見てばかりいないで、コツコツとフランス語上級を目指して頑張ります。

 

一つ、家族全員で日本への一時帰国を果たすための節約。息子が去年から私立の高校に入学し、家計が一気にカツカツになりました。こちらは納税次期が秋なんですが、新学年開始時期と重なるため、授業料と税金を合わせるとかなりの額になります。1年かけてチビチビ貯めていたお金はスッカラカンになり、年末年始の出費と重なって、新年初月の今、主人の給料日を前にして、またもや0が見え始めています…。もう少し上手にヤリクリして、来年の今頃は口座と睨めっこする時間が減って、日本への航空券予約サイトをワクワク検索できてますように。

 

一つ、家族での外出を増やす。基本、動くのは好きではありません。積もる家事に目をつむり、罪悪感を少し抱きながらダラダラしているのが好きなのです。でも、身体は動くためにできている、といいます。動かないと色々な所でひずみがでてくるそうです。これは運動不足による肥満や、筋力、心配能力の衰えだけに留まらず、精神にも悪影響があるというのですから恐ろしい。四十路も半ば、新陳代謝機能も衰えてきている今日この頃、老化だけでは説明できない不気味な不調感があります。目的のない外出はできるだけ避けてきました。が、今年は家族で楽しめるイベントを探したり、日帰りで行った事のない街へ散歩にでかけたりしたいと思います。あまり期待しすぎて頂くのも何ですが、ゆる~く見守って下さい。私のブログもちょっとは魅力的になるかもしれません。

 

そして最後は、願いです。現在15歳の息子は進行性脊髄性筋萎縮症を患っています。現在唯一治療薬として認可されているのはSpinrazaです。わが息子はこの新薬が承認された当初(2016年12月)は、それほど衰えが気にならなかった事もあり、脊髄注射は絶対嫌だと言っていました。ただ、病気はゆっくりですが確実に進行しています。今では段々一人で出来る事も少なくなってきており、その分介助する私の体力的負担も増えてきています。去年の夏、まだ臨床実験段階の新薬の治験に参加しようと検査を色々受けましたが、残念ながら参加資格は得られませんでした。そして11月、息子は自分からお医者さんに治療を受けたいと話しました。お医者さんの話では治療開始まで、それほど時間はかからないだろう、との事でしたが、まだ連絡はありません。治療にかかる費用は膨大で、どこの国でも保険会社からゴーサインが出るのを待っている患者さんが大勢いらっしゃいます。そして優先となるのは当然重い症状を抱える患者さんです。幸い息子は、3型と言われる同じ病気でも症状が軽いタイプなので、命の危険はありません。

今できる事は、毎日を大切にしながら、笑いを絶やさず、希望を失わず、根気よく待つのみです。そして、世界中で色々な病気と果敢に闘っていらっしゃる皆さんの事を思い、私も出来る限り息子を支えていきたいと思います。

 

“In the long run, you hit only what you aim for.” 

長い目で見ると、人は狙ったものしか打てないものさ。
― Henry David Thoreau

 

皆さんも、何か狙いを定めてみませんか?

今日も皆さんにとって、いい日でありますように。

Bonne journée à tous!f:id:yamatopiece:20190121200925j:image

 

半引きこもり生活、脱出 (ようやくリズムが掴めてきたような…?)

今年も早、終わりに近づいてきましたが、皆さんの一年はいかがでしたか?

 

365日もあると、浮いたり沈んだり、老若男女、誰であれ、毎日が平穏というのは不可能ですよね。楽しい日もあれば、辛い日もある。脳天気な私にでさえ「さぁ、明日も頑張るぞ」と思える日もあれば、「明日までもつのか…」と不安になる日もあります。

 

それでも、今年も何とかここまで生きてきた自分を褒めてあげたいと思います。

傍から見れば、バタバタと要領悪く駆けずり回っているように見えてもです。

 

今年の夏休み前から少しずつ準備を始めていたものの、ウェブサイトを立ち上げた以外の実際の始動は9月以降。チラシを配ったり、体験クラスを開催したり、お祭りに参加したりとつむじ風に巻き上げられるように一気に忙しくなりました。

先ほど「傍から見れば」と言いましたが、実のところ自分でも、自分が息を切らしながら走っている道がどこへ続くのかもよく分からないまま、ただ闇雲に目の前の事に集中して活動を続けてきて現在に至ります。

 

それでも生徒数は子供から大人まで計18人まで増え、4クラス教えるところまできました。 もちろん18人という数は多いとは言えません。学校だと一クラス少なくとも20人はいますもんね。

でも、私の場合、昨年の10月にクラスを引き継いだ時は初中級1クラス、4人でした。なので、スタート地点と比べると4倍以上の人に日本語を学ぶ機会を提供できている事になります!そう、何事も小さな一歩からです。そして、これからも、少しずつ歩を進めながら、ささやかな前進を喜んでいきたいと思います。

 

生徒の皆さんは、それぞれが日本と日本文化、日本語に興味を持っている人達なので、「打てば響く」という感覚が、教える喜び、楽しさを倍増させてくれています。

フランス語が下手なせいで、最初は1時間の授業のために少なくとも3時間はかけていたクラスの準備も、生徒さんの理解のペースが徐々に把握できてきて、授業を進めるスピードが安定してきたせいか、何をどれだけ準備すればよいか大体予想できるようになったので随分効率があがりました。(それでも頂いている時給を準備時間も併せて計算し直すと未だ最低賃金下回ってますが…。そう、いつの世も先生の仕事は好きじゃないと続けられないものなのです。)

 

そして、先週末の土曜日、Avonの町からのお誘いでクリスマスフェアに参加し、友人と友人のご主人と一緒に無料アトリエ教室を開いてきました。午後だけのアトリエでしたが、私は折り紙担当で、ちびっこから大人の方までを対象に休みなしで3時間、クリスマスに因んで星とサンタさんのキャンディー入れの作り方を紹介してきました。もちろんボランティアですが、このイベントの後は2週間のお休みが待っていたので張り切ってきました!

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子供達はちょっと風邪を引いていて、まだ思い切り休暇を楽しめる状態ではありませんが、時間に追われないというだけで、気持ちがとっても楽になり、心なしか夜もゆっくり休めている感じがします。クリスマスも無事終わり、子供達もプレゼント喜んでいたので花丸としましょう。

 

晦日前には、ぐうたらな性分に鞭打って、すこし丁寧に掃除をして気持ちのよく新年を迎えられればいいなぁと思っています。

 

皆々さまもどうか良いお年を~。

 

If a man does not keep pace with his companions, perhaps it is because he hears a different drummer. Let him step to the music which he hears, however measured or far away.  -Henry David Thoreau

周りのみんなと足並みを揃えない人がいたら、彼には、みんなとは違うビートが聞こえているのかもしれない。そんな時は、彼に聞こえている音楽のリズムで歩かせてあげてほしい。それがどんなリズムでも。  ーヘンリー・デービッド・ソロー 

半引きこもり生活、脱出(急なつむじ風到来)

さて、前回の更新から1カ月以上も経ってしまいましたが、とにかくバタバタと忙しく精神的にも体力的にも一杯一杯で、目まぐるしく展開する日々にゆっくり思いを巡らしながら日記を書く時間というか、気持ちの余裕がありませんでした。

ただ、おフランスにはありがたい事に、学校(+児童のための課外授業)には1カ月半毎に2週間のお休みがあります。そして今年の秋休みは今週末から‼

ここでしっかり休養して次の1カ月半を乗り切るための準備を進め、充電満タンにしなければなりません(まぁ、満タンにしたはずの充電は3日と持たずに切れてしまいますが…。)

さぁ、前回の記事では9月初旬の体験クラスの事をお話ししましたが、それ以降の経過です。あれから、ほどなく開講する予定だったクラスには予想通り最低人数は集まらず、立地条件が良かった街中の学習塾での開講は断念せざるを得ませんでした。

じゃ、何がそんなに忙しかったのかって?まぁ、聞いてください。

開講は断念したものの、受講したいと言って下さった方々の中にはクラスを本当に楽しみにしてくれていた子供達がいたんです。心待ちにしてくれる子供達がいるのが分かっているに、期待を裏切るのは心苦しく、最終手段として友人の自宅で子供達を集めて教室を始める事にしました。元々の目的が、「日本語や日本文化に興味のある若者に学びの場を提供する」事だったので、せっかく巡り合えた子供達の日本語を勉強したいという思いを応援しかったわけです。ちなみにこの教室からの私の収入はゼロ。でも娘が無料参加しており、向学心に燃え始める兆候を、かすかながらも(?)見せているので良しとします。

最初は2人から始まった教室も一人増えて今は3人。小さなグループですが、和気あいあいと楽しく授業しています。

そして、去年から教え始めた土曜の日本語クラス。こちらはと言えば、去年と同様1コマ、1時間での~んびりいきましょう、と思いきや、初級の生徒がドンドン増えて今じゃ定員オーバーの10名。そして問い合わせは今も絶える事なく、現在4人の幼児に小学生が2人、新しいクラスの開講を待っている状況です。現在は2時間半教えていますが、休み明けには+1時間になる勢いです。

問い合わせが増え始めたのは9月下旬にあるイベントに参加してからです。

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このイベントはFestival des Langues et des culturesと呼ばれ、地元で活動する外国人を招待して異文化と外国語を紹介してもらうという趣旨で年一回開催されています。とは言っても、日本ブースは私たちが初めて。アーティストの友人と二人で折り紙とマンガ風イラストを描く体験をしてもらおうと設置しましたが、あまりの盛況ぶりで、日本の文化や言語を紹介する余裕は全くありませんでした…。丸1日、次から次へとやって来る子供達と大人連を相手にピカチュウ折ったり鶴を折ったりと慌ただしく過ごしての感想は「いやぁ、マジつかれた…」で、手応えがあったかも分からない状態でした。

 

しかし考えてみると、私の連絡先を広告に載せたのは、ここで配布した数枚の登録用紙のみ。

立ち上げたウェブサイトの閲覧状況は…今も殆どゼロです。だって、グーグルのキーワード検索に引っかからないんですから。

フェースブックのページもイベントの告知以降、忙しくて更新していませんし。

とすると、あのイベントの効果があったという事でしょうか??全く実感がなく、半信半疑ではありますが、とにかく今も毎日のように日本語を勉強したいという子供達の親御さんとメールのやり取りをしています。ほんの簡単な情報案内的メールですが、フランス語が下手くそなので、とにかくメールを書くのにやたらと時間がかかるんです。

フランス人はとにかく直接話をするのが一番手っ取り早いと思っている様で、電話もかかってきます。外国語での電話対応は相手の表情や身振り手振りのヒント無しでの会話なので、語彙力にも文法力にも欠ける初中級程度のフランス語での意思疎通は困難を極めてます…。とにかく「メールで情報送るんでメルアドお願いします」と伝えるのが精いっぱいで、いつも心臓はバクバク、体中に冷や汗かきかきの状態です。逆に、こんなしどろもどろなフランス語しか話せない先生で親御さんよく不安にならないな、と感心します。本当。

ただ、問い合わせが増えて嬉しい反面、葛藤もあります。自分の体力と精神力、そして家族のための時間を考慮すると、どこかで「これ以上は無理です」と言わなければなりません。でも、私がNOと言えば、子供達は日本語の勉強を諦めざるを得ません。だいたい純フランス人のちびっこ向けの日本語教室なんて、パリでさえ見つかるかどうか分かりませんし、もし見つかったとしても小学生の子どもがパリへ通うのは親の付き添いなど難題が多いものです。さぁ、私一人でどこまで対応できるのか…どこで線を引くのか、問題です。

“Remember, no effort that we make to attain something beautiful is ever lost.”
「覚えておいて下さい。何か素敵な事を成し遂げるために私たちがする努力が、無駄に消えてしまう事は決してありません。」― Helen Keller

半引きこもり生活、脱出(姉ちゃん、そりゃ~、あんた、考えが甘いよ。)

日本語や日本文化に興味のある子供たちや若者たちに学びと体験の場を提供したいと思い、友人のアーティストの方を巻き込んで、教室を開く事にしたわけですが、告知の難しさに四苦八苦しています。

見よう見まねでウェブサイトは立ち上げてみたものの、グーグルでは、設定したキーワードで検索しても、全く引っかからず、チラシも誰かの目に留まるように、と祈りながら、小さな本屋さんや町の図書館などに置かせてもらうのみで、何だか、運だけを頼りにしているような心もとなさ。(こっちには願懸けできる神社もないし。)

この土日で体験クラスや生徒さん集めのイベントにも参加させてもらいましたが、やはり興味のある人にドンピシャで巡り合えるのって、そうそうある事じゃないんだなぁ、と痛感。出会いは奇跡。宝物です。

それでも、「どこそこでチラシを見てね~」と言って来て下さった方も数名いらして、案外ど素人のウェブサイトなどより、地道に足を使って宣伝するのが効果的なのかも、と思ったりもします。

当初、教室の場所が学校の近くという事もあり、対象は小中高生を考えていましたが、イベントを訪れて下さった方の半数は中高年のマダム。これは、クラスの内容を練り直す必要がありそうです。時間が足りない。

初めての挑戦。最低4人集まらないと採算が取れないため、クラスは開けません。「な~んだ、たった4人で採算とれちゃうの~?」と思ったそこの方、全くのコネなしで3クラスx4人に授業料を払って来てもらうのは大変な事なんです(私だから、というのが大きいかもしれませんが…)!

たんまり、お金儲けができる仕事じゃない事は重々承知していますが、お友達を巻き込んでいる以上、赤字では続けられませんし、お互い家計に負担も掛けられません。そう、現実は甘くないのです。

そして、開講予定日は何と来週にまで迫っています。さて、今週末までに、どれだけの生徒さんが集まるか…。あと一週間、もう少しあがいてみます。

半引きこもり生活、脱出(実はしたくない?)

さて、活動の幅を少しずつ広げようと、巡ってくるチャンスは出来るだけ有効活用しようと頑張ってきたわけですが、ここへきて、ガス欠です。

 

以下、2カ月ほどかけて、準備して、ようやくネットにあげたウエブサイトです。

サイトのロゴなど、まだまだ、手を加える所は沢山ありますが、足掛かりになる基本の形はできたかな?全くの素人でも、ある程度のウェブページが作れるStrikinglyの様なサイトは助かります。

 

wagokoro.strikingly.com

見ての通り、まだ現実には何も始まっていませんが、準備段階は佳境にさしかかっており、外出が増え、見ず知らずの人との接触が避けられない状況です。

苦手なのです。外出も、社交の場も。今まではずっと避けてきたのです。

自分では、好きな人、信頼できる人と一緒に少しずつ歩を進めていこうと思っていたのに、その一歩一歩が、次元を超えている感覚で、何だか、いつの間にか、渦の中心に陥って、周りのグルグルに歯止めがかからなくなっています。ひぇえ~!

 

分かっています。世の多くの方々にとっては、「何をこの程度のお遊びで、大げさな!」というレベルだという事は。でも、人それぞれ許容範囲は違っていて、私には現時点で精一杯なわけです。

 

そして、ここ二日間、例の如く、身体が急ブレーキをかけて、寝込んでました。片頭痛です。目の奥が、頭がズキズキと痛み、目を開けていられません。部屋を暗くして、頭を冷やして、吐き気と闘うのです。

 

私の体は正直で、辛いなと実感し始めるころには、時すでに遅しで、必ずと言っていいほど動けなくなります。

 

yamatopiece.hatenablog.com

 

ここはおフランス。みんなマイペースに、できるだけ無理せずに生きる文化なはずなのに、一人息を切らして突っ走る自分。他の選手は1キロ走ったら、頑張ったねと自分に労いの言葉をかけて、シャワーを浴び、お茶を飲んで、洗い立てのユニフォームに着替えて、次の1キロに備えているというのに、私はマラソンの経験など無いのに休まず10キロ走って、まだゴールはずっと先だというのに、脚が縺れて、転んで、膝擦りむいて痛くて、立ち上がれない

ハワイに住んでいる時もそうでした。

 

そんな私を見かねて、旦那は言います。「日本人。いい加減、やめたら?」

 

擦りむいた膝に絆創膏貼りながら、空を見上げて、途方にくれる。

「どうやったら、やめられるのか、誰か、おしえてよ~」

臨床試験SUNFISH-スクリーニング検査の結果

去る6月、息子が治験参加に向けたスクリーニング検査のため、パリの病院で2日過ごし、その後も2週間ほどおいて、超音波検査やら血液検査をしました。まだ、治験段階のお薬なので、極力被験者に害が及ばない様に慎重な検査が行われました。

結果、超音波検査で軽度の異常が見られたため、残念ながら今回は息子の参加はなりませんでした。息子も、私たち親も、実家の両親も、期待していた分、やはりがっかりしました…

 

でも、よくよく考えてみると、誰も何も失っていません。

 

もちろん時間と労力は費やしましたが、私たちの置かれている状況はこれまでと変わっていない訳で、息子も相変わらず好きなゲームをしたり、アニメを見たりして、呑気に大口開けて笑っています。勉強しないので、時々けんかもしますが、至って平穏な毎日です。

 

心配は常にあります。将来の事も考えます。

悩みの中身には多少違いがあると思いますが、親は子供を心配するようにできているので、これも何ら特別な事ではありませんよね。

夏休み。楽しい思い出を少しでも多く作れるよう、面倒くさがりですが、それなりに、頑張ります。

"All of us are products of our childhood.”  -Michael Jackson

 僕たち みんな、子供時代の産物さ。

 

皆さんも、熱中症に気を付けて、楽しい夏をお過ごし下さい!

 

 日々、新しい治療薬の承認に向けて希望を持って弛みない努力を続けて下さっている多くの研究者の方、患者さんとそのご家族、お医者さんなど、皆さんに感謝しながら…。

パリ、ぼっち散歩

以前にも書きましたが、わたくし、出不精です。

パリから電車で1時間ちょいの所に住んでいますが、どうしても外せない用事でもない限り、自分から進んで行きたいとは、全く思いません。

 

なので、友達に「フランスの生活慣れた~?きっと楽しい事一杯なんだろうねぇ。」と羨まし気に言われても、返事のしようがありません。

「○✖は素敵よ~」とも「○▽は美味しくって、週一で通ってるわ~」とも言えません。

だって、パリに行く事を考えただけで、ストレスで頭痛がするんです。

 

しかし、外せない用事、できてしましました。

子供達のパスポートの更新です。秋には切れてしまうので、大好きな実家に帰るためにも、どうしても必要です。

 

という訳で、先々週、一人でパリに行ってきました。

 

独りぼっちのパリは何カ月ぶりか…。気分は、気が付けば見知らぬ地に迷い込んだ放浪者。

これで、今は昔、紙の地図を片手に目的地まで行けと言われれば、方向音痴の私にはお手上げです。しかし、今は現代。ポケットにスマホさへがあれば、言葉なんて通じなくたって、どこへだって行けちゃうんです。外国語の教科書には必ず載っている「道を尋ねる」チャプターも必要なくなっちゃいました。社交性に欠ける私にとっては、見ず知らずの、親切かそうでないかも分からない道行く人にへったくそなフランス語で話しかけなければいけない状況も避けられます。スマホ様様!

 

おかげで、都会を移動するストレスはあったものの、日本大使館には難なく到着。必要な書類の提出にかかった時間は5分…。往復3時間かかるパリまでせっかく来たのに、これだけでとんぼ返りするのは、流石にもったいない。

 

なので、通りかかったまだお昼前でお客さんのいないベーグル屋さんに立ち寄り、サンドイッチを頬張りながら、日本大使館の近くで面白そうな美術館はないか調べました。すると案の定、ありました、ありました。パリは小さな美術館が多数散在しているので、行く先々で、歩いて行ける距離に必ずと言っていいほど美術館があります。

しめしめ、と自然に笑顔になるのをカモフラージュするために、口元にナプキンを…

と、何やら視線が!

 

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これは無理だろう、と裏っ返すと、そこにも男性像。

仕方がないのでナプキンの端~っこの方で口元をぬぐいました…。

 

今回選んだのは日本大使館と同じ8区にあるMusée Jaquemart André。f:id:yamatopiece:20180730201449j:imagef:id:yamatopiece:20180730202619j:image

元々は裕福な美術品収集家の個人邸でしたが、1912年Jacquemartさんの遺言に従ってフランス学士院所属の美術館となりました。 ヴィーナスの誕生などで有名な初期ルネッサンス画家のボッティチェリや、様々な肖像画や宗教画、エッチングを手掛けたバロック画家のレンブラントなどの作品も展示されていて、小規模ながらも、見ごたえ十分な美術館でした!

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そして、何よりも、人混みが苦手な私には、どこの部屋を回っても多くて2人か3人ほどしか観覧者がいなかったのが良かったです。気に入った作品の前でゆっくり立ち止まっても誰の邪魔をする心配もなく、小さな部屋でも酸欠に陥りそうな不安もなく、落ち着いた気持ちで静かに心行くまで鑑賞できました。

美術館を出て、そのまま帰ろうかとも思いましたが、ブログを時々訪ねて下さる皆さんにパリの空気をお届けすべく、運動不足の解消も兼ねて、美術館から真っすぐにセーヌ川を目指して散歩する事に。その日は、それほど暑くなく散歩日和。でも、人混みと車の多さに空気の悪さに、15分もすると後悔し始めました…。

てくてく。途中のSaint-Augustin教会を見たら帰ろうかな、と思い始めましたが、着いてみたらお昼休みで閉まってました。教会まで昼休みとは、流石おフランス。午後の開扉時間まで30分…待とうかな、とも思いましたが、教会前の階段で仲睦まじいカップルがイチャイチャしており、こっちの方が恥ずかしくなり、最寄りのSaint-Madelaine教会までさらに歩く事に。

Saint-Madelaineはナポレオンがフランス軍を讃えるための神殿として、ローマの神殿を模したデザインで建築が開始されたそうですが、ナポレオン失脚後、元々建設が予定されていた聖マドレーヌに捧げるカトリック教会として使われれる事になったとの事。そのためか、外観だけ見ると、教会には見えません。

www.eglise-lamadeleine.com

中は平日の午後2時過ぎにも関わらず、混んでいて、ザワザワ。人だかりが苦手な私は目の奥がズーンと重くなり出し耐えられず、15分ほどで降参。19世紀に建てられたとあって比較的新しい教会ですが、何故か私はもっと古い時代の建築の方が好きなようです。何というか、あの17世紀以降に建てられた建築物は、どっしりと威張った感じで、権力を見せつけようとする感じと言えばいいでしょうか。そう、日本の国会議事堂みたいな感じで、私が魅力的に感じる、繊細で移ろいやすいけれど、時代を超えて受け継がれていく普遍的な柔らい美しさに欠けるんですよね。

 

人混みと排気ガスですでに十分ダメージを受けた私は、そろそろメトロに乗って帰途につこうかと思いながら教会を出ました。しかし目の前に見えたのは…f:id:yamatopiece:20180730201943j:image

オベリスクがそびえ立つコンコルド広場。そう、3000年以上も前のラムセス2世の治世を讃えるヒエログリフが刻まれた、あのオベリスクです。19世紀にパドル船にてエジプトはアレキサンドリアからはるばる運ばれてきました。

そう言えば、オベリスクも近くで、じっくり見た事なかったなぁ、と思い、ニンジンを鼻先に吊るされた馬の如く、自然と足がそちらへ。

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でも、この日は近々何かイベントがあるのか、柵やらテントやらがゴチャゴチャと設置されており、結局近くには行けず、がっかり。せっかく歩いたのに…。

 

コンコルド広場を歩いて、最初の目的だったセーヌ川の川岸までたどり着き、エッフェル塔をしばし眺めた後、バスに乗って帰途につきました。

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この日の歩数は11,343歩。何はともあれ、ちゃんとパスポート申請書類も提出できましたし、いい美術館を観て、いつになく頑張って沢山歩いたので、褒めてあげるとしましょう。